レミニール(ガランタミン)とはどんな薬?

レミニール(ヤンセンファーマ、武田薬品工業、主成分ガランタミン)は、アルツハイマー病の認知機能障害の進行を遅らせるために用いられる薬です。

アルツハイマー病の脳では、記憶学習に関わる神経伝達物質アセチルコリンの働きが低下しています。レミニールの主成分であるガランタミンは、脳内のアセチルコリンを増やし、その機能を高めることで、認知機能障害の進行を抑制します。

しかし、レミニールはアルツハイマー病の脳で起こる神経細胞死は防げないので、病期の進行を完全に止めることはできません。

薬価=薬の値段

レミニール錠の薬価(2019年3月現在)

目次

レミニールとアルツハイマー病

アルツハイマー病は、記憶力や学習能力、空間認知力などが徐々に低下して(認知機能障害)、思考能力や行動に異常が起こる病気です。進行すると、日常生活の動作・行動ができなくなり、自立生活が困難になります。

レミニールは、アルツハイマー病での認知機能障害を和らげるために用いられる薬です。

記憶・学習能力は、シナプスという部位で、アセチルコリンという神経伝達物質を用いた神経細胞間の情報伝達によって維持されます。レミニールは、アセチルコリンの働きを高めて、情報伝達能を高めます。

シナプスでは、情報の送り手(シナプス前細胞)から分泌されたアセチルコリンが、受け手(シナプス後細胞)の細胞表面にあるニコチン受容体というタンパク質に結合し活性化させます。その結果、神経が電気的に興奮して情報が伝達されます。

アルツハイマー病では、脳内のアセチルコリンの量が減るため、シナプスでの情報交換がうまく行かなくなり、記憶学習能力が低下します。レミニールは、アセチルコリンの量を増やしたり生理作用を高めて、認知機能を改善します。


レミニールの作用メカニズム

レミニールの主成分であるガランタミンは、アセチルコリンの分解酵素であるコリンエステラーゼの働きを低下させて、アセチルコリンの量を増やします。

シナプス前細胞から放出されたアセチルコリンは、コリンエステラーゼにより分解されなくなります。レミニールを服用すると、ガランタミンによりアセチルコリンが分解されないので、シナプス前細胞から放出されたアセチルコリンがどんどん蓄積します。その結果、神経の活性化がより強く長く続くので認知機能が改善します。

また、ガランタミンのニコチン受容体への結合は、アセチルコリンとは異なる場所で起こるので、それぞれが別々にニコチン受容体を活性化できます。したがって、レミニールを服用したときの神経細胞の活性化は、アセチルコリンだけのときよりも強くなります。

つまり、レミニールを服用すると、アセチルコリン量の増加に加え、ガランタミンによる神経活性化が起き、これらの作用が合わさって強い認知機能改善効果が起こるというわけです。


レミニール服用時の注意点

レミニールは脳内のアセチルコリンだけでなく、全身の臓器のアセチルコリン量も少量ではありますが増加させるので、これに全身性の副作用が生じます。

代表的な副作用は、吐き気や下痢、食欲不振などの消化器症状です。胃や腸の機能は、副交感神経がアセチルコリンを用いて調節しています。そのため、レミニールを服用すると、消化管の運動が高まって不快な症状が起こるのです。

これらの症状は、レミニールを食前に服用することで軽減する事ができます。

レミニールはアルツハイマー病の症状を改善させますが、病期の進行を止めるものではありません。また、臨床試験は症状が軽度から中程度の患者さんを対象としており、進行患者のものではありません。

アルツハイマー病の脳では、進行性大量の神経細胞死がおこり、脳機能に必要な神経回路が破壊され、認知症の症状が現れると考えます。現時点で、神経細胞死を止め病期の進行を止める薬剤はなく、レミニールにも、細胞死を防ぐ作用はありません。

レミニールはアルツハイマー病の特効薬ではなく、「症状を改善するための対症療法薬である」ことは認識しておく必要があります。


レミニール(ガランタミン)の構造式