薬の名前の由来その4

ネオーラル

免疫抑制剤:ノバルティス、主成分 シクロスポリン

新しい(ネオ)経口剤(オーラル)。注射剤しか無かったところに、経口剤(飲み薬)ができたというのは、商売上大きなメリットになります。名前に織り込むのは重要なテクニック。

参考記事:ネオーラル(シクロスポリン)とはどんな薬?

コレバイン

高コレステロール血症治療剤:田辺三菱製薬、主成分 コレスチミド

コレステロール(cholesterol)の代謝物である胆汁酸を吸着(bind),排泄させ作用を示すことからCHOLEBINEと命名した。コレステロール低下のメカニズムが、名前を見ただけで分かり、覚えやすい名前です。コンバインみたいだけど。。

ハイペン

非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤:日本新薬、主成分 エトドラク

High speed pain blockerより命名。painは「痛み」。blockerというのは、抑制する薬。ハイスピードで痛みを止める薬という意味になります。わかりやすく呼びやすい。

アミユー

腎不全患者用のアミノ酸補充剤:主成分 9種の必須アミノ酸

「アミユー」の名称の由来は、 Ajinomoto Morishita Infusion for Uremia Ajinomoto = 味の素株式会社(共同開発)Morishita = 森下製薬株式会社(開発当時)Infusion = 注入、輸液 Uremia = 尿毒症、をつなげたところから。薬の共同開発はよくある話です。腎不全が進むと尿毒症になります。アイドルの愛称みたい。

イプシロン

止血剤(販売中止):主成分 イプシロンアミノカプロン酸

本薬の一般名イプシロンアミノカプロン酸からイプシロンと命名した。ギリシャ文字で薬の名前にするとは、大胆な略し方です。

ファスティック

速効型食後血糖降下剤:持田製薬、主成分 ナテグリニド

本剤の作用特性である速効・短時間型(fast-acting)に由来する。食後の急速な血糖値増加を抑えるために、インスリン分泌を高める薬です。早く作用が消えるのも、使用目的によってはメリット(血糖値が下がりすぎないため)。

ユニプロン

鎮痛解熱薬座剤(販売中止):主成分 イブプロフェン

イブプロフェンを用いた本邦初のユニークな小児用坐剤であることから命名された(現在は発売中止となっています)。座剤って腸から直接全身に薬が回るんで、すぐ効くんですよね。座剤には、子供のころお世話になりました。

チョコラ

ビタミンA剤:エーザイ

「チョコラ」とは特に意味はないが,弊社(管理人注エーザイ)のビタミン製剤につけられた総称。意味は無いが、といわれてしまうとどうしようもないですね。

キョーフィリン

抗喘息剤:杏林製薬、主成分 アミノフィリン

キョーリン(杏林製薬)のアミノフィリンなのでキョーフィリンとした。なんか怖そう。

アンギナール

抗狭心症剤:田辺三菱製薬(名称変更)、主成分 ジピリダモール

Angina pectoris(狭心症)のアンギナより命名した。アンギナにナールって誤解されない?