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アコンプリア(リモナバン)

アコンプリア(サノフィ・アベンティス、主成分リモナバン)は、2006年から英国で発売された新しい抗肥満薬です(日本では臨床試験中)。抗肥満薬という言葉のとおり、アコンプリアは、肥満患者の体重を減少させるための薬です。インターネット上では、早速、個人輸入などで出回りだしているようですね。

アコンプリアは、生体内のカンナビノイド受容体(正確にはCB1受容体)というたんぱく質の働きを抑制します。

カンナビノイドは、大麻(マリファナ)の中に含まれる化学物質(代表的な成分は△9-テトラヒドロカンナビノール)で、幻覚作用や陶酔感などの中枢作用を示します。カンナビノイドの薬理作用の原因となるたんぱく質は、カンナビノイド受容体と呼ばれています。カンナビノイドはCB1受容体に結合することで、神経の活動に影響を与え、麻薬としての作用を示します。

アコンプリアが開発されたのは、カンナビノイドが持つ、ある作用に注目したのがきっかけです。カンナビノイド(マリファナ)を常用する人は、食欲が増し、体重が増えるという現象が知られていました。そこで、CB1受容体の作用を抑制する薬は、食欲を落とし、体重が減少させるのではないか、というアイデアが生まれました。こうして開発されたのが、アコンプリアです。

動物試験では、アコンプリアは、えさを食べる量を減らす(食欲の減退)作用と、体内の脂肪の量を減らす作用を示し、この二つの作用により、動物の体重は減少しました。

では、アコンプリアは、ヒトでどれくらいの減量効果を示すのでしょうか?臨床試験の結果によると、体重約100kgのヒトは、低カロリー食とアコンプリアの服用を一年間続けることにより、8.6kg体重が減少します。このとき、低カロリー食とプラセボ(外見上はアコンプリアと同じですが、主成分が入っていないもの)を一年間服用したヒトは2.3kg体重が減少しました。この差、約8.6kg-2.3kg =6 .3kgが、アコンプリアの効果だと考えられます。この数字(全体重の約5%)、大きいですか?小さいですか?。

体重推移のグラフをみると、最初の半年(26week)で急速に体重が減少し、その後は緩やかな変化となっています(placebo:プラセボ、rimonabant:アコンプリアの主成分リモナバン)。つまり、アコンプリアを飲み続けても、体重はある程度までしか下がりません。
もっと体重を落とそうと思ったら、運動なども同時にしなければいけないということです。アコンプリアは、食事療法や運動療法の補助療法に使用されることを想定した薬です。世の中、薬飲むだけで、ごっそりやせつづけるという、甘い話はありません。

アコンプリアのよいところは、体重を落とすとともに、血液中の脂肪、コレステロール量を減らす、という点です。この作用により、肥満患者がもっている心血管系リスク、つまり動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などを起こす危険性、を低くすることができます。また、糖尿病を発症している肥満患者では、糖尿病の改善作用もあるようです。アコンプリアは、単なるやせ薬というよりも、肥満体質改善薬と呼んだほうがよさそうです。


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アコンプリアの体重減少作用
(出典;N Engl J Med 2005;353:2121-34)

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