ウルソ(ウルソデオキシコール酸)とはどんな薬?

ウルソ(田辺三菱製薬、主成分ウルソデオキシコール酸)は、肝臓から分泌される胆汁の量を増やしたり、胆管(胆汁が通る管)にできる胆石を溶かすための薬です。

胆汁の分泌が悪くなると、肝臓の機能が低下したり食物の消化が悪くなります。ウルソの主成分のウルソデオキシコール酸は、胆汁の流れや質を良くすることで、肝細胞の障害を防ぎ食物の吸収を高めます。

胆汁は、肝臓で合成される液体で、胆のうに蓄えられ、胆管を通って十二指腸に分泌されます。胆汁に含まれる胆汁酸は、油を水になじませる作用(界面活性作用)により、食物の脂肪分を「ミセル」という小さな粒に変化させ、小腸からの吸収を高めます。

胆のうや胆管の病気で胆汁の流れが悪くなると、胆汁酸が肝臓にたまって炎症を起こし、肝臓の機能が低下します。また、胆汁の出が悪くなると、小腸からの脂肪分の吸収が悪くなります。ウルソは、胆汁の異常で起こる症状を改善するための薬です。

ウルソの主成分であるウルソデオキシコール酸は、熊の胆のうから作られた生薬(熊胆;ユータン)の成分です。ウルソの商品名は、ラテン語の「熊(ウルサス)」にちなんで命名されましたが、いまでは化学合成で生産されます。胆汁酸とよく似た構造を持ちながらも、より肝臓にやさしい性質を持っています。

胆汁酸の界面活性作用は、脂肪の吸収には役立ちますが、必要以上になると細胞にとって都合が悪くなります。細胞の表面は脂肪でできた細胞膜に覆われているので、細胞が長い間胆汁酸にさらされると、界面活性作用により細胞膜が傷つきダメージを受けるのです。

ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸よりも細胞を傷つける作用が弱く、かつ界面活性作用を持ちます。そのためウルソを服用すると、肝細胞を傷つけずに胆汁不足による消化不良を改善できます。

ウルソを服用すると、ウルソデオキシコール酸は小腸から吸収され、肝臓へと運ばれたあと、胆管から十二指腸に分泌されます。そして、再び小腸から吸収され肝臓へと向かいます。つまり、薬剤が腸と肝臓の間をぐるぐると循環します(腸肝循環といいます)。

ウルソを繰り返し服用すると、薬剤が腸肝循環によってどんどん胆汁に取り込まれます。すると、胆汁中のウルソデオキシコール酸の割合がどんどん増えて肝臓保護作用も強くなります。

また、ウルソの界面活性作用は、コレステロールの塊である胆石を水に溶けやすくします。胆汁の流れが良くなると、肝臓中の胆汁酸をどんどん排出できるようになり、胆汁酸による肝臓のダメージを減らせます。

ウルソデオキシコール酸には、炎症抑制作用による肝細胞の保護作用もあり、さまざまなメカニズムが組み合わさって、弱った肝臓を助けると考えられています。


ウルソ(ウルソデオキシコール酸)の構造式