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セロクエル| 病院でもらった薬の値段Part2


セロクエル
(フマル酸クエチアピン)
 セロクエル(アステラス製薬、主成分フマル酸クエチアピン、薬価 25mg 錠 = 47.2円)は、統合失調症の治療に用いられる薬です。統合失調症では、妄想や幻覚(陽性症状)や、引きこもり、意欲の低下、感情の鈍さ(陰性症状)などの様々な精神症状がおきるのですが、セロクエルはこれらの症状に対し改善効果を示します。

セロクエルは、古くから使われているコントミン(主成分クロルプロマジン)などに比べると副作用が少なく使いやすい、新しいタイプの統合失調症治療薬です。

統合失調症の原因は、いまだはっきりしたことはわかっていないのですが、脳内のドパミンという物質の働きを抑える薬(ドパミン阻害薬)が統合失調症の陽性症状を抑えることは古くから知られていました。セロクエルやコントミンは、まさにこのドパミン阻害薬であり、統合失調症の陽性症状を強く抑えます。

しかし、このドパミンは体の運動機能に関する働きも持っています。パーキンソン病という、体が動かしにくくなる病気があるのですが、この病気は脳の神経でのドパミンの働きが弱くなって起こります。一般にドパミン阻害薬を長いこと使っていると、このパーキンソン病と同じ状態になり、体を動かす機能が低下します(これを錐体外路症状と呼んでいます)。古いタイプのドパミン阻害薬には、副作用として錐体外路症状が生じるため非常に使いづらい、という問題点がありました。

セロクエルは、この副作用をなくすことを目指して作られた薬です。セロクエルにはドパミンの働きを抑える作用はあるのですが、古いタイプのドパミン阻害薬に比べるとそのドパミン阻害作用は弱くなっています。

そのかわり、セロクエルは脳内のセロトニンという物質の働きを抑える作用を持っています。セロトニンも神経活動に深く関わる物質であり、統合失調症の陽性症状や陰性症状の発現に関与することが考えられていました。セロクエルは、ドパミンに対する作用を弱くする代わりにセロトニンに対する作用を強くすることでドパミン阻害による錐体外路症状を起こすことなく、統合失調症の症状を鎮めることができるのです。

セロクエルは、薬の作用が強いものだけがいい薬ではない、という好例です。「強すぎず弱すぎず、体の中のバランスを崩すことなく治療効果を示す」。簡単なようで非常に難しいことなのですが、セロクエルではこの目標がきちんと達成されている優れた薬です。


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セロクエル(フマル酸クエチアピン)の構造式
セロクエル(フマル酸クエチアピン)の構造式


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