セフゾン| 病院でもらった薬の値段Part2


セフゾン
(セフジニル)
 セフゾン(アステラス製薬、主成分セフジニル、薬価 50mgカプセル = 59.3円)は、日本生まれの抗生物質です。セフゾンは、様々な細菌に対する殺菌作用により、様々な感染症の治療に用いられる薬です。セフゾンは、皮膚の感染症、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、中耳炎、のどの炎症など、さまざまな臓器の病気に対して使われます。

セフゾンが効果を示す細菌は、ペニシリン結合タンパク質というタンパク質をもつ細菌で、ブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌などが挙げられます。セフゾンは、このペニシリン結合タンパク質の働きを止める事で、殺菌作用を示します。

サフゾンのターゲットであるペニシリン結合タンパク質とは、細菌の周りを取り囲んで細胞を形作っている、細胞壁という構造を作るために必要な酵素タンパク質です。細胞壁は、ペプチドグリカンという物質が綿密に結びついて出来ているのですが、ペニシリン結合タンパク質は、このペプチドグリカン同士を結びつける働きを持つ酵素(ペプチドグリカン架橋酵素)です。

セフゾンは、ペニシリン結合タンパク質の働きを止める事で、細菌が細胞壁を作れなくしてしまいます。すると、細胞壁の強度が弱くなり、細胞の中と外との圧力のバランスが取れなくなって、細菌は破裂してしまいます。このようなメカニズムによって、サフゾンは細菌を殺すのです。

セフゾンの作用メカニズムは、セフゾンのターゲット「ペニシリン結合タンパク質」から予想される通り、抗生物質の先駆け「ペニシリン」と共通したものです。セフゾンは、ペニシリンがヒトの手によって進化した抗生物質であり、構造はペニシリンと似ています。

ペニシリンはよく効く抗生物質なのですが、細菌も手強いもので、ペニシリンに対する対抗手段を産み出す事で、ペニシリンが効かない(耐性をもつ)細菌が登場するようになりました。その対抗手段とは、ペニシリンの構造の一部であるβラクタムという構造を壊してしまう「βラクタマーゼ」という酵素タンパクです。ペニシリンが細菌に近づいても、βラクタマーゼによって分解されてしまえば、細胞を殺す事は出来ません。

セフゾンは、このβラクタマーゼで壊されないような構造をもった抗生物質です。そのため、ペニシリンに耐性をもつ細菌に対しても、作用を示す事が出来ます。ただ、細菌も手強いもので、セフゾンに対して耐性を持つ細菌も、世の中にはすでに存在しています。

抗生物質と細菌とのイタチゴッコは、永遠に終わる事はありません。細菌の変化するスピードは、ヒトが新薬を開発するスピードに比べ、遥かに早いからです。とはいっても、ヒトも手をこまねいている訳にはいきません。新薬を開発すると共に、耐性を起こしにくいような薬の使い方を見つけ出していく努力も必要だと思います。


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セフゾン(主成分セフジニル)の構造式
セフゾン(主成分セフジニル)の構造式


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