アルメタ軟膏(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)とはどんな薬?

アルメタ軟膏(塩野義製薬、主成分 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)は、湿疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症、虫さされ、薬疹、乾癬など幅広い皮膚の疾患に効能・効果を示す塗り薬です。

アルメタ軟膏の主成分であるアルクロメタゾンは、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)とよばれる種類に属する薬で、免疫細胞の機能を低下させて抗炎症作用を示します。

ステロイドを主成分とするアルメタ軟膏のような薬剤を、一般的にはステロイド外用薬とよび、皮膚炎の標準治療薬として用いられています。

アルメタ軟膏は副腎皮質ホルモン薬に分類されます。副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)とは、腎臓の上にある小さな内分泌器官である副腎皮質から分泌されるホルモンで、強い抗炎症作用を持ちます。類似した構造を持つ数多くの化合物が、グルココルチコイドと同じ作用メカニズムで炎症を抑制することから、アルメタ軟膏を含む多くの薬剤が炎症性疾患の治療薬として用いられます。

これらの薬剤は副腎皮質ホルモン剤、もしくは共通してステロイド骨格(下の構造式における4つの輪で表される構造)という化学構造を持つことから、単にステロイドともよばれます。アルメタ軟膏も、ステロイドであるアルクロメタゾンを含むステロイド外用薬で、特に湿疹や虫刺され、アトピー性皮膚炎の治療薬として用いられます。

アルメタ軟膏の主成分であるアルクロメタゾンは、炎症を引き起こす原因細胞(免疫細胞)に存在するタンパク質「グルココルチコイド受容体」に結合して、受容体を細胞核に移行させます。細胞核に到達したグルココルチコイド受容体は、炎症に関連するタンパク質の遺伝子に働きかけ、炎症を抑制するタンパク質の合成を促進したり、炎症を引き起こすタンパク質の合成を抑制します。

このように、アルメタ軟膏は、数多くの炎症関連タンパク質の産生を遺伝子レベルで同時にコントロールできるので、強力な抗炎症作用を示します。

ステロイド骨格にさまざまな部品(官能基といいます)を付け加えることで、ステロイドの効果に強弱をつけることができます。アルクロメタゾンプロピオン酸エステルは、アメリカの製薬会社シェリング・プラウ社が数多くの合成化合物の中から選び出した化合物で、ステロイドの中でも比較的弱い作用を示します。

ステロイド外用薬の強さは5段階で表されますが、アルメタ軟膏は5段階のなかで下から2番めの「Medium(中間の強さ)」に分類されます。そのため、アルメタ軟膏は、比較的軽い症状の皮膚炎に用いられます。また、乳児や幼児などのアトピー性皮膚炎や湿疹にもよく用いられます。

また、アルメタ軟膏はマイルドな効果を示すことから、顔の炎症の治療に使用されます。ステロイドは皮膚の細胞増殖を低下させる作用があるため、強いステロイドを使用すると皮膚が薄くなることによる副作用(皮膚の赤み、萎縮)が起こることがあります。特に、ステロイドが皮膚に入りやすい顔では副作用が起きやすく、外見上からも好ましいものではないので、強い薬剤は使えません。アルメタ軟膏は、ステロイドとしての効果が弱いので、顔にできた皮膚炎の治療に用いることができます。

一方で、グルココルチコイドは、肝臓や骨を始めとする全身の細胞でさまざまな生理機能に関与します。しかし、アルメタ軟膏のように塗り薬として用いた場合は、その作用は皮膚にだけ限定されます。そのため、全身の臓器に作用することによる副作用は起こりにくくなっています。


アルメタ軟膏(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル) の構造式