ボルテックスミキサー(試験管ミキサーとも呼ばれるようです)は、試験管やプラスチックチューブのなかの液体を撹拌(かくはん)して、混ぜるための実験器具です。「ボルテックス(vortex)」とは、「(水・空気などの)渦巻き;旋風」という意味があります。
ボルテックスミキサーの原理はこんな感じです。スイッチをいれると、上に突き出た黒い部分(写真;アタッチメントと呼びます)が高速で回転します。アタッチメントに試験管やプラスチックチューブの底を当てると、試験管やプラスチックチューブに回転運動が伝わり、中にある液体が渦を巻いて回転します。ボルテックスミキサーで撹拌することを、ボルテックスをかける、と呼んでいます。
ボルテックスミキサーの使い方ですが、試薬に水や緩衝液を加え、ボルテックスミキサーで激しく撹拌することで、試薬を速やかに溶かし、均一にすることができます。溶けにくい試薬の場合は、2-3分ボルテックスをかけることもあります。高速回転による振動が手に伝わると、マッサージ機を当てているような感じで、気持ちがいいです。ただ50本、100本の試験管にひたすらボルテックスをかけると、手がしびれてしまって大変です。
ボルテックスミキサーを使う際、注意点がいくつかあります。
まず、タンパク質が溶けている溶液を撹拌する時は、ボルテックスミキサーは使えません。溶液が高速回転することで、泡が発生し、この泡によりタンパク質が傷むことがあるからです。
また、小さなチューブを使う場合、回転数が高すぎると、チューブの蓋に液体がついてしまったり、チューブが回転の勢いで手から飛んでいってしまうこともあります。
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