パラフィルムの使い方|巻き方・耐薬品性・特徴
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パラフィルムは、フラスコや試験管の口を覆って密封するためのプラスチックフィルムで、化学や生物学の実験室の必需品です。フィルムを容器の口に押し付けて、伸ばしながら2〜3周巻きつけて使います。蓋がない容器に用いることで、簡易的な蓋になります。
この記事では、パラフィルムの特徴や使い方について、わかりやすく説明します。
パラフィルムとは
パラフィルム(正確な商品名はParafilm M)は、ロウやポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)を配合した無色のプラスチックフィルムです。
使い方(蓋のしかた・巻き方)
PARAFILMと字が書いている紙(剥離ライナー)の部分にプラスチックフィルムが貼り付いています。剥離ライナーを剥がしてフィルムを伸ばし、容器の口に押し付けて蓋をしたり、蓋と容器の境目に巻き付けて使います。
まず、容器の口より一回り大きめにハサミで切ります。次に、蓋をするように口に押し付け、はみ出た部分を伸ばしながら側面に沿わせて、口の周りを2〜3周巻きます。細い口のフラスコも同じ要領です。
パラフィルムは、のびやすく(メーカーのデータシートによれば、元の長さの3.5倍以上に伸ばせます)、薄く広げられるので不規則な形状の容器にも密着させることができます(写真)。

また、自己接着性があるので、巻きつけてフィルム同士を接着させることで、密封や固定をすることができます。
使い道と注意点
具体的な使用用途としては、フラスコやビーカーの簡易的な蓋、サンプルチューブからの液体の漏れ防止、メスシリンダーを用いた転倒混和のためのふた、試薬の吸湿を防ぐため容器の蓋の上から更に密封する、などがあります。薬学系、医療系、生物系、化学系などの分野でさまざまな用途に使われています。
私は、サンプルを湿気に触れさせたくないときや、転倒混和のときに使っていました。ほこりを避けるだけなら、アルミ箔で蓋をすれば十分です。
パラフィルムは、水や湿気はほとんど通しませんが、酸素や二酸化炭素は通します。気体を完全に遮断したいときには向きません。
ただ、密封されているように見えても、密着が緩いと中身が漏れます。しっかりと密着させたとしても、乱暴に扱わないようにしましょう。
耐薬品性と熱への注意
メーカーのデータシートによれば、パラフィルムは、塩酸や硫酸などの強い酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリ、メタノール・エタノール・イソプロパノール、食塩水などに24時間さらしても、ほとんど影響を受けません。薬作りの現場で使い勝手がよい道具です。
ただし、耐えられるのは48時間程度までで、それを過ぎるともろくなることがあります。また、クロロホルムなど塩素を含む溶媒や、ヘキサン、トルエンのような無極性の溶媒での使用は、メーカーから勧められていません。熱にも強くなく、軟化点は約54℃です。
歴史と「M」の由来
パラフィルムの歴史は古く、1930年代アメリカのMarathon Paper Mills Companyによって開発されました(現在は、アメリカの Amcorが製造販売)。開発当時は、花などの包装用(Parafilm F)、植物の接ぎ木用(Parafilm G)、熱シールによるマウント用(Parafilm M)、チーズの包装用(Parafilm C)がありました。ただ、現在販売されているのは、Parafilm Mのみとなっています。
Parafilm Mの”M"の由来は正確にはわかりませんが、参考文献から読み取ると”Mount”のMのように思えます。透明かつ伸びる性質と、熱に弱い(熱で変形しやすい)点は、本来の開発目的である熱シールとしての役割を十分果たすものですが、現在では透明かつ伸びる点と耐薬品性から研究現場で重宝されています。
参考:Amcor「PARAFILM M Laboratory Film」データシート(英語、PDF)
参考:Parafilm – A latex-base material The Rubber Age. Penton Business Media. 41 (3), 178, 1937.