安全キャビネットってどんな道具?

安全キャビネット(略して「安キャビ」)というのは、外から雑菌が入らず、外へ有害物質(ヒト試料や遺伝子組み替え体、病原体などなど)を出さないように実験ができるスペースのこと。よく、テレビとかで手だけ入れて実験してるのが出てくる、あれが安全キャビネットです。

安全キャビネット

安全キャビネットは、上下に上げ下げできる引き戸で外と内とを分けてあり、引き戸でつくった隙間から手袋をつけた手をいれ、いろんな操作をします。安全キャビネットにはファンがついていて、上から下へ風が吹き下ろしています。この風は、外から吸い込んだ空気をHEPAフィルターというフィルターで濾過したもので、雑菌などを含んでいません。そして、安全キャビネットの下には吸気装置があり、安全キャビネット内の空気を吸引してHEPAフィルターで濾過し、外へ空気を放出します。

ということで、安全キャビネットの中で実験するときは、雑菌を含まないきれいな空気により雑菌の混入(コンタミ)をあまり気にしないで実験することができます。また、安全キャビネットの中で取り扱う有害物質は、吸気装置により取り除かれるので、有害物質による実験者の汚染が起こりにくくなってます。

安全キャビネットは、一人一人自前のものをもってるわけなく、共通で使っています。そのため、安全キャビネットを使う前に予約が必要です。予約表に記入しなくてはいけないのですが、この予約表、いつも埋まっていて空き時間がほとんどありません。実験するたびに、他の実験者と時間の調整をするのがちょっと面倒です。あと数台増やしてくれればいいのですが、、ちょっと無理そうです。一台数百万って話なので。