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Exubera(インスリン吸入剤)

インスリンの吸入剤Exuberaが、アメリカ、ヨーロッパで相次いで承認されました。Exuberaは、糖尿病の治療、つまり血糖値を下げるために使われます。吸入剤というのは、器具を使って気管支や肺に薬物を吸い込み、薬物を気管支や肺から血液へと直接移行させる薬です。これまで吸入剤は、喘息の治療薬などに使われてきました。

Exuberaは、ベンチャー企業が開発した吸入剤の技術を、ファイザーとサノフィ・アベンティスが採用して開発されました。Exuberaは、約7年間の臨床試験の結果、有効性、安全性が確認されたということです。Exuberaによる気管枝、肺を介したインスリンの吸収は非常に早く、注射剤(皮下投与)と同等の血糖値降下作用を示すということです。

インスリンに代表されるペプチドホルモン(分子量が小さいタンパク質)を人に投与する時には、これまで注射剤が使われていました。

これは、
1)飲み薬にすると、消化管内の酸や酵素でペプチドが分解される可能性がある。
2)ペプチドは大きい分子であるので、消化管の細胞からは吸収されにくい。
3)経口投与では、吸収時間が遅いので、インスリンのような即効性が要求される場合には適さない。
4)吸入投与は古くから検討されていたようですが、うまく行かなかった。
などの理由があったからだと思われます。

そのため、インスリンを投与する場合は、手などに皮下注射するのが一般的な投与法です。インスリン投与用のキットが開発されていて、糖尿病患者さんは、医師の指導のもとで自分でインスリン注射をしています。

Exuberaでは、インスリン自体に変化を加えてはいないということなので、Exuberaの成功は、肺や気管支に薬物を確実に到達させる方法の開発によるものだと思われます。製剤技術の進歩といえるのかもしれません。注射を怖がる小児や、注射に不安がある高齢者の方には、吸入剤という選択肢が増えたのはよいことです。

さて、一般論として皮下注射と吸入、どちらが使いやすいのかは実際使ってみないと分かりません。「痛みがないと言う点では吸入剤の勝ち。手間については、同等」ということでしょうか。とはいえ、ついこの間、痛くない注射針が開発されたというニュースで見たので、注射の痛みについては今後改善されそうです。吸入がメインになる時代が来るんでしょうか。

とにかく、Exuberaが早く日本でも承認されるとよいですね。


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