バファリン配合錠A330(アスピリン、ダイアルミネート)の効果・副作用のメカニズム

バファリン配合錠A(ライオン、エーザイ)は、主成分としてアスピリン(アセチルサリチル酸)とダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテートと炭酸マグネシウムの混合物)を含む配合剤です。

バファリンには、以下の2種類があります。

  1. 処方箋なしで購入できるバファリン
  2. ドラッグストアで購入できるOTC医薬品です(小児用バファリンや、生理痛用のバファリンルナなど)。

  3. 処方箋がないと使用できないバファリン
  4. 医師の診察をうけ、処方箋をもらわないと使用できない医療用医薬品としてのバファリンです(バファリンA配合錠)。

この記事の対象は、2番めの医療用医薬品であるバファリン配合錠です。

バファリンは、さまざまな病気での発熱や痛み(添付文書によれば、頭痛、歯痛、月経痛、感冒の解熱、関節リウマチ、リウマチ熱、症候性神経痛など)に効果を示す解熱鎮痛薬です。

一方で、主成分のアスピリンには胃の粘膜を傷つける副作用がありますが、バファリンでは、胃に対する副作用を弱める工夫がされています。

この記事ではバファリン配合錠の効果と副作用のメカニズムについて解説します。

薬価=薬の値段

バファリン配合錠A330の薬価(2019年3月現在)

目次

バファリンが効果を示すメカニズム

バファリン配合錠Aの主成分であるアスピリンは、痛みを増強させる生体内物質「プロスタグランジン」の産生を止め、鎮痛効果を示します

プロスタグランジンは炎症組織で合成される物質で、痛覚を検出する知覚神経に作用して、痛みへの感度を上げる効果を持ちます。

アスピリンは、プロスタグランジン合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX;cyclooxygenase)」の働きを弱め、プロスタグランジン量を減らして痛みを止める効果を示します。

バファリンと同じ効果を持つ解熱鎮痛剤ロキソニン(主成分ロキソプロフェンナトリウム)も、アスピリンと同じ作用メカニズムをもつ薬です。

バファリンで胃の副作用がでにくいメカニズム

アスピリンは、効果が高く値段が安いことから、非常に使いやすい薬として古くから使われてきました。

しかし、アスピリンにも、体にとって有害な効果である副作用はあります。

プロスタグランジンは、さまざまな生理機能に関わるので、多くの臓器の働きに影響を与えます。

アスピリンの副作用の原因となるプロスタグランジンの生理作用は、胃粘膜の保護効果です。

アスピリンは、COXの働きを止め、プロスタグランジン合成を抑制する効果があります。

そのため、アスピリンを長期間服用するとプロスタグランジンによる胃粘膜保護効果が弱くなって、胃を痛める(出血や胃潰瘍)ことがあるのです。

そこで、バファリン配合錠Aでは、アスピリンによる胃への副作用を防ぐために、ダイアルミネートという物質を添加物として加えています。

ダイアルミネートには、胃酸を中和して胃液の酸性度を下げる効果があります。

ダイアルミネートの効果は2つのメリットを持ちます。

  1. 胃酸の攻撃が弱まる
  2. アスピリンの効果でプロスタグランジン量が減少すると、胃粘膜保護効果が低下して、胃酸が胃を直接攻撃します。

    しかし、胃酸の酸性度が下がれば、胃酸の攻撃力が弱まって障害が起きにくくなります。

  3. アスピリンの吸収速度が速まる
  4. アスピリンは、胃酸の酸性度が低いと胃からの吸収速度が早くなります。

    胃の中からアスピリンを速やかに取り除くことで、胃粘膜への障害が少なくなります。

    また、吸収が速いので、バファリンの効果は即効性です。すぐ効くというのは痛み止めにとって大きなメリットです。

「バファリンの半分はやさしさでできています」というCMコピーがあります。

この「やさしさ」は、バファリンの2つの成分の1つであるダイアルミネートが胃の粘膜を保護効果を持つ」ことを表しているわけです。

とはいえ、すでに胃潰瘍や十二指腸潰瘍などで消化器粘膜が傷づいているときは、バファリンを服用しても潰瘍を悪化・出血をもたらす可能性があります。

このような場合は、バファリンの服用は禁止(禁忌)とされています。


アセチルサリチル酸の構造式