ガスター(ファモチジン) とはどんな薬?

ガスター(LTLファーマ、主成分 ファモチジン)は、胃酸により起こる病気(急性胃炎、慢性胃炎胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血、逆流性食道炎)の治療薬です。

主成分のファモチジンは、胃酸の分泌を低下させて胃粘膜の障害を抑制し、胃の保護効果を示します。

ガスターには、水なしで服用できる口腔内崩壊錠(ガスターD)も用意されています。

ガスターDの錠剤は、唾液で湿らせると速やかに溶けるので、口に入れてそのまま服用できます(水で飲んでも大丈夫です)。

この記事では、ガスターの効果のメカニズム、処方箋なしで購入できるガスター10について解説します。

薬価=薬の値段

ガスター錠の薬価(2019年3月現在)

目次

ガスターが効果を示すメカニズム

胃から分泌される胃酸(塩酸)は、強い酸性を持つので、そのままでは胃の表面の細胞を傷つけます。

そこで、胃は自分を守るために、粘液を分泌して表面を粘膜で覆い、細胞を保護します。

しかし、ストレスなどで粘膜による保護作用が弱まると、胃酸が胃細胞を直接攻撃して傷つけ、ひどい場合には胃炎や胃潰瘍を発症してしまいます。

そこで、胃炎や胃潰瘍の治療では、ガスターなどの胃酸の働きを弱める薬を用います。

ガスターの主成分であるファモチジンは、胃酸の分泌を制御するヒスタミンの働きを低下させ、胃酸の量を少なくして、胃の表面を保護する効果を持ちます。

ヒスタミンは、胃酸を出す細胞(壁細胞)の表面にあるヒスタミン受容体(H2受容体)に結合し、胃酸を分泌させます。

一方、ファモチジンはH2受容体に結合しますが、壁細胞からの胃酸分泌効果はありません。

つまり、ガスターを服用すると、ファモチジンがH2受容体に結合して、ヒスタミンが作用できなくなります(拮抗する)。その結果、胃酸分泌が低下するというわけです。

ファモチジンのように、H2受容体に結合しヒスタミンを邪魔すことで効果を示す薬をH2受容体拮抗薬と呼びます(HはHistamineの頭文字)。

ガスター10とはどんな薬?

ガスターには大きく分けて次の2種類があります。

  1. 処方箋がないと使用できないガスター
  2. 医療用医薬品であるガスター(ガスターD)は、医師の診察による処方箋がないと使用できません。

  3. 処方箋なしで入手できるガスター(ガスター10)
  4. 処方箋がなくても、薬局やドラッグストアで薬剤師の説明・指導のもと購入できます。

ガスターは、医療用医薬品として長年の使用実績があり、効果・副作用がキチンと把握されていたことから、薬剤師の説明・指導を受けることで処方箋無しで購入できる第1種医薬品に指定されました。

第1種医薬品としての商品名が「ガスター10」で、医療用医薬品のガスターと同じ量のファモチジンを含みます。「10」は1錠に含まれるファモチジンの量10mgという意味を表します。

ガスター10のような薬をスイッチOTCと呼びます。

OTC(Over the counter)とは、薬局のカウンター越しに処方箋なしで購入できる薬、という意味があります。

ガスターのように、医療用医薬品としての実績があり、副作用リスクが低いと確認された薬がスイッチOTCに指定されるという動きは活発です。

軽い症状のときは、病院に行かずに薬局でOTCを購入し、自分で症状コントロールする、という取り組みを「セルフメディケーション」と呼びます。

スイッチOTC化とセルフメディケーションは、医療における利便性向上と医療費削減につながるということもあり、今後も進んでいくと考えられます。


ファモチジンの構造式