ラシックス | 病院でもらった薬の値段TOP

ラシックス
(フロセミド)
今回取り上げるラシックス(アベンティスファーマ、主成分フロセミド、薬価 20 mg錠 = 9.6 円)は、利尿剤という薬で、おしっこ(尿)の量を増やし、体の中の水分を減らす薬です。体にむくみがある場合とか、血圧が高いときに服用する薬す。

ラシックスの作用メカニズムは、腎臓からのナトリウムイオンと、塩素イオンの吸収を阻害するというものです。ということで、ナトリウムイオンが吸収されないと、なぜ尿(水分)の量が増えるのか、調べてみました。

腎臓での尿の作られ方はすごく複雑です。実際、生理学の教科書では、腎臓の働きについて長い説明がついています。で、自分なりに単純化して、以下の文章を書いてみました。(かなりはしょった部分がありますがご容赦を)

腎臓の一番大事な働きは、血液から尿を作り出すことです。
まずは、糸球体というところで血液を濾過します。これは、血液の中の血球成分(赤血球とか白血球とか)や、タンパク質が体外に出ないようにするためです。タンパク尿がでると腎臓が悪いというのは、この濾過の働きが弱っているということです。

糸球体の中で濾過されてできた液体のなかには、ナトリウムと塩素イオンが含まれています。これは、人間の血液には、海水と同程度の塩化ナトリウム(つまりナトリウムイオンと塩素イオン)が含まれているためです。これは、生物が海から発生したことと大きな関係があると言われています。

さて、この液体は尿細管と言う管の中を流れるうちに、水をはじめ、いろいろな物質が吸収されます。尿細管での水の吸収により、液体の体積は最初に比べ1%くらいに濃縮されます。この濃縮液が尿の正体です。

この濃縮のメカニズムは、腎臓の構造を巧みに利用しています。尿細管は、ループのような形をしており、このループ内の位置によって、吸収される物質が決まっています。そのループのなかで、ナトリウムイオンは、あるタンパクによって、尿細管から細胞内に吸収されます。この吸収能は非常に強力なので、尿細管の周りの細胞のナトリウムイオンの濃度は非常に高くなります。すると、細胞内ナトリウムイオンの濃度を下げるため水が同時に吸収されます(正確に言うと浸透圧とかが出てくるんですが、ここの部分大分はしょります)。

フロセミドは、上記のナトリウムイオン吸収のプロセスを阻害します。すると、細胞内ナトリウムイオン濃度が変化しないので、水が細胞内に吸収されません。そのため、尿は濃縮されず、大量の尿が産生され、尿量が増えます。

ラシックスは、作用する部位が、尿細管のループでのナトリウムイオン吸収を阻害するため、ループ利尿薬と呼ばれます。

というわけで、ナトリウムイオンと尿の関係をざっと書いてみました。腎臓の構造を見てると、自然が効率的に生理機能を果たしていることが実感できます。解剖学、生理学の本など持っている方、いちどご覧になって見ることをオススメします。



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ラシックス(フロセミド)の構造式
ラシックス(フロセミド)の構造式


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