レミケード | 病院でもらった薬の値段TOP

レミケード
(インフリキシマブ)

今回はレミケード(田辺製薬、主成分インフリキシマブ、薬価 100mg1瓶 = 100539円)という薬を取り上げます。レミケードは、関節リウマチの治療薬で、リウマトレックス(メトトレキサート)と併用することで、関節リウマチの症状を強力に抑制します。

お気づきの方もいるかもしれませんが、レミケードの薬価は非常に高いです。これは、レミケードが優れた薬であると共に、抗体医薬という新しい種類の薬であるからだと思われます。

抗体医薬というのは、「抗体」というタンパク質を薬にしたものです。「抗体」というのは、体内に異物が入ったときに、異物に結合し、これを除去するためのタンパク質です。体内には、侵入するさまざまな異物や細菌に対する抗体が存在します。抗体は、異物と結合することで、その異物の働きをおさえ、細菌を殺します。

レミケードは、遺伝子組み換え技術により作られた抗体です。
ターゲットは、TNFαというタンパク質です。TNFαは、リウマチになっている部位から分泌され、炎症に関与するさまざまな細胞を活性化し、炎症を悪化させます。またリウマチの特徴である骨の破壊にも関与しています。

TNFαが作用するためには、TNFαがTNFα受容体というタンパク質と結合することが必要です。TNFαの作用を抑制するためには、TNFα受容体とTNFαを結合させないようにする必要があります。

TNFαに対する抗体であるレミケードは、TNFαと強力に結合し、TNFα受容体とTNFαを結合させないよう妨害します。また、レミケードはTNFαが結合しているTNFα受容体から、TNFαを引きはなす作用もあります。また、TNFαを細胞表面に持つ細胞を破壊することも出来ます。以上の3段重ねの作用によりレミケードはTNFαにより誘発される炎症を抑制します

もともとTNFαというのは、体内に存在しているタンパク質なので、TNFαに対する抗体は体内に存在しません。そのため、レミケードは遺伝子組み換え技術を用いて、人工的に作られました。そのためレミケードの製造コストは高くなり、それが薬価の高さに反映されているのでしょう。

それでは、TNFαの働きを抑制するためにわざわざ抗体を作った理由は何でしょうか?普通の薬のように、化学的に合成された化合物でもよいのではないかと思えます。実は、TNFαは非常に大きな分子で、通常の薬の100倍以上の大きさがあります。このため、普通の方法で作った化合物は小さすぎて、TNFαの作用を抑制することが出来ないのです。

現在は、抗体医薬の開発が大規模に行われています。というのは抗体は、ターゲットタンパク質を正確に見極める能力がある(特異性が高い)ため、通常の薬剤よりも強力な作用があり、副作用が低いと考えられているからです。

数々の抗体医薬が臨床試験段階にあることから、近い将来、炎症、癌、などなど様々な分野で有望な抗体医薬がでることが期待されています。



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