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ガスコン
(ジメチルポリシロキサン)
 今日紹介する薬は、ガスコン(キッセイ薬品、主成分ジメチルポリシロキサン、薬価 40mg錠 = 5.6円)という薬です。名前を見ると、どういう薬か連想できそうですね。「ガス」を「コントロール」する薬、すなわちガスコンという訳です。
 
ここでいう「ガス」というのは、胃や腸の中にたまっているガスのことです。お腹が張った不快な感じ(腹部膨満感)の原因は、胃や腸にたまったガスの圧力で、消化管を拡張して起こると考えられます。ガスの原因は、腸内に存在する細菌です。胃や腸で消化吸収された栄養分は、腸内に住んでいる細菌のエサにもなります。この腸内細菌が、栄養分を消化、分解することで、各種のガスが産生されます。

と いうことで、腹部膨満感を無くすには、腸内細菌によるガスを何とかコントロールする必要があります。ガスを無くすためにどうするか?

 ガスコンの作用メカニズムを説明するためには、体内でガスがどのように存在しているかを知る必要があります。X線写真や胃カメラなどで観察すると、腸内では、消化された食べ物と、細菌からでるガスにより泡ができていることがわかります。この泡が、X線写真や胃カメラの邪魔になるので、この泡をなんとかする必要がありました。

で、この泡をつぶしてやればよい、というのがガスコンの作用メカニズムです。

ガスコンの主成分であるジメチルポリシロキサンは、シリコーンと呼ばれる高分子化合物であり、泡の表面張力を低下させる化合物です。ここで言う表面張力とは、水滴や泡が丸くなろうとするときに使われる力です。水や泡はそれ自身出来るだけ安定した形(最小の表面積をとる形)、つまり球形になろうとするのですが、これは、水や泡の表面で表面を内側に引き込もうとする力が一様に加わっているからです。この力を表面張力と言います。
 
ガスコンによって表面張力が弱くなると、泡ははじけてしまいます。泡でなくなったことより、ガズの腸内での移動、吸収がしやすくなります。血液中に吸収される場合もあれば、消化管の出口から出てくる場合もあります。すなわち、おならやゲップですね。

ジメチルポリシロキサンは非常に安定で、腸から吸収されません。投与された分は、そのまま便によって体外に排出されます。したがって安全性は非常に高い薬です。ガスコンは、通常の薬のように、体内でのタンパク質の働きを化学的に調節するのではなく、完全に物理的な作用で薬効を示す珍しい薬だといえます。



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構造式
ガスコン(ジメチルポリシロキサン)の構造式
ガスコン(ジメチルポリシロキサン)の構造式


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