イソジンガーグル(ポピドンヨード)とはどんな薬?

イソジンガーグル(ムンディファーマ、塩野義製薬、主成分ポピドンヨード)は、口の中の消毒に用いるうがい薬です。ガーグルというのは英語で「うがいをする」という意味です。主成分であるポピドンヨードは、広い範囲の細菌、ウイルスに対して殺菌作用を示します。風邪や口の中のケガ、口内炎などで口の粘膜が傷ついているときに、細菌などの感染を防ぐために用いられます。

ポピドンヨードとは、ヨウ素をポリビニルピロリドンという物質と結合させた化合物です。通常、ヨウ素は水に溶けないのですが、ポピドンヨードにすることで水へ溶けるようになり、うがい薬として使用できるようになります。ポピドンヨードの水溶液中では、ポリビニルピロリドンとヨウ素の結合が切れたりくっついたり(平衡)しており、結合が切れて放出されたヨウ素が、殺菌作用の本体です。

ヨウ素は周りの物質から電子を奪って、ヨウ素イオンになろうとします。ヨウ素は、生体内のタンパク質やDNA、脂肪酸から電子を奪うことで、これらの生体内分子を壊してしまいます。

例えば、タンパク質では、立体構造の骨組みとなるシステインというアミノ酸(2分子のシステインが結合して、タンパク質の骨組みをささえる筋交いのような働きをします)の性質を変えます。すると、システイン同士の結合が切れ、タンパク質の構造を崩れてしまいます。

また、ヨウ素はタンパク質や核酸(DNA)の基本構造を維持するのに必要な窒素ー水素結合(専門用語でいうと水素結合)を窒素ーヨウ素結合に換えてしまいます。水素結合は生体分子の構造や相互作用に必要な結合であり、これがなくなってしまうとタンパク質やDNAはその機能を発揮することができません。

こうして、細菌やウイルスの生存に必要なタンパク質や核酸が壊れることで、細菌は正常な生命活動ができなくなって殺菌作用が生じるのです。殺菌がすすむと水溶液中のヨウ素濃度が減りますが、失われた分だけポピドンヨードからヨウ素が供給されるので、殺菌はさらに進みます。

風邪の予防には、水のうがいだけで十分という報告もあります。でも、うがいしたときの、ひりひり感と言うか、何とも言えない刺激感で、あぁ細菌が死んでるんだな、などと想像したりできるので、私はイソジンガーグルでのうがいが気に入っています。