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エパデール
(イコサペント酸エチル)
エパデール(持田製薬、主成分 イコサペント酸エチル、薬価 S300 = 45.9円)は、動脈硬化の原因である高脂血症、つまり血液中の脂肪の量が非常に高い状態を改善し(脂肪を減らす)、動脈硬化の発生を予防するための薬です。また、エパデールは、動脈硬化により血管が狭くなっところの血液が固まりやすくなることを防ぎます。このため、エパデールは、動脈硬化によって血管が狭くなったときに生じる様々な症状(潰瘍、痛み、冷え性、など)を改善する働きもあります。

エパデールの主成分、 イコサペント酸エチルはあまり聞き慣れないかもしれませんが、 イコサペント酸を略したEPAという単語は聞いたことがあるかもしれません。EPAは、魚、とくにイワシなどの青魚に多く含まれており、健康食品など通信販売のサイトでは、EPAを含む商品が多数取り扱われています。エパデールは、魚に含まれるEPAを高純度に取り出すためにエチルエステル化という処理を行い、この処理によって生じたイコサペント酸エチルを主成分としています。

EPAにスポットライトが当たったのは、1975年に、グリーンランドに住む人々についての健康調査の結果が報告されたときからです。この結果によると、グリーンランドに住む人々には、動脈硬化によって起こる心筋梗塞などの血栓症(血の固まりで血管が詰まる病気)の患者数が非常に低く、動脈硬化の原因となる高脂血症の患者数も少ないという特徴がありました。そして、この人たちの血液中には、非常に高い濃度のEPAがあることがわかりました。このEPAは、この人たちが食べている大量の魚に由来していると考えられました。

EPAと構造が似ているアラキドン酸などの不飽和脂肪酸と呼ばれる物質は、血液の固まりやすさに関与するということが知られていました。そこで、魚の油から作られたエパデールを用い、EPAと血液の固まりやすさの関係についての研究が行われました。その結果、エパデールは血液の固まりやすさを弱める作用があることがわかりました。

アラキドン酸は、血液を固める作用があるトロンボキサンという物質の原料なのですが、血液中にエパデールが増えると、エパデールはアラキドン酸からトロンボキサンがつくられる過程を抑制します。そのため、血液中のトロンボキサンが減って、血液が固まりにくなるというわけです。グリーンランドに住む人々に血栓症患者が少ない理由は、このメカニズムで説明できると考えられました。

一方、エパデールが血液中の脂肪分を下げる働きのメカニズムは以下のように考えられています。エパデールにより、脂肪酸合成に関連するタンパク質(SREBP-1と呼ばれていて、脂肪酸合成に必要な遺伝子を活性化するタンパク質です)の量が減少するため、脂肪酸の合成が少なくなり、結果として血液中の脂肪が少なくなるという訳です。そして、血液中の脂肪が少なければ、血液中の脂肪分により生ずる動脈硬化も起こりにくく、動脈硬化が原因である症状、血栓症も起こりにくいと考えられます。(ただし、エパデールがSREBP-1の量を減らすメカニズムはよくわかっていません)。

エパデールには300-900mgのイコサペント酸エチルが含まれています。イワシ100g中のEPA量は、1000-1500mgくらい(参考http://www.karadakara.com/col/aozakana.html)なので、毎日イワシを何匹か食べればエパデール一回分くらいのEPAは摂取できるようです。マグロやサバのお刺身でもよさそうですね。食べたくなってきました。


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エパデール(イコサペント酸エチル)の構造式
エパデール(イコサペント酸エチル)の構造式


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