オパルモン(リマプロストアルファデクス)とはどんな薬?

オパルモン(小野薬品工業、主成分リマプロストアルファデクス)は、動脈が狭くなって起こる血行障害(閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、痛みおよび冷感)の治療に用いられる薬剤です。オパルモンの主成分であるリマプロストは、血管の筋肉を緩めて狭くなった血管を広げたり、狭くなった血管の中で血液が固まるのを防ぐことで血液の流れを改善し、血行障害による症状を改善します。

オパルモンの主成分であるリマプロストは、生体内物質であるプロスタグランジンE1(PGE1)を飲み薬として服薬できるよう改良した化合物です。

オパルモンの適応症である閉塞性血栓血管炎は、血管が狭くなって血行が悪くなることで、潰瘍や痛み、冷感などの症状が起こる病気です。血管が狭くなる原因としては、必要以上の血管収縮や血栓(血液が固まってできる塊)があります。血栓は、血小板という細胞が集まって塊をつくる(血小板凝集)ことが引き金となってできます。

PGE1は、血管の筋肉(血管平滑筋)や血小板が持つプロスタノイド受容体というタンパク質を活性化させ、平滑筋の収縮力を低下させたり血小板の凝集を防ぎます。リマプロストは、PGE1と同じくプロスタノイド受容体を活性化させる作用を持っているので、PGE1の作用を強め血流障害を改善する事ができます。

PGE1を含むプロスタグランジン類は強い生理活性を持つので、医薬品としての応用が古くから考えられてきました。しかし、プロスタグランジンの生理作用はあまりに強いため、生体内では速やかに分解されるようになっており、そのまま服用しても作用時間は数分程度しかありません。そのため、PGE1をそのまま薬剤とすることは困難とされていました。

「PGE1と同じ作用が長時間持続する飲み薬」を目標として開発された薬剤がオパルモンです。リマプロストは、胃や腸で分解されにくく吸収されやすくするために、PGE1の構造を部分的に変化(メチル基を加えたり、二重結合を加えたり)させています。また、生体内での分解を遅くするために、アルファデクス(αシクロデキストリン→ブドウ糖が長く鎖状につらなった円筒状の物質)という物質を使っています。アルファデクスの円筒状の構造の中にリマプロストを入れると、円筒がじゃまをして分解されにくくなるのです。

このような工夫により、オパルモンは、服用後数時間は血液中に存在して全身の血管を拡張させる薬剤になりました。オパルモンが登場するまでは、プロスタグランジンは注射剤として使用されてきました。オパルモンは飲み薬であり、長期間にわたる服用がしやすく、患者さんにとって使いやすい薬となっています。


オパルモン(リマプロストアルファデクス)の構造式