タキソテール| 病院でもらった薬の値段TOP

タキソテール
(ドセタキセル水和物)
タキソテール(サノフィ・アベンティス、主成分 ドセタキセル水和物、薬価 20mg0.5mL瓶 = 19660円)は、卵巣がん,肺がん,乳がん,胃がん、などの治療に用いられる抗がん剤です。

以前、タキソールの記事を書きましたが、タキソテールとタキソール、名前にてますよね。そして、タキソテールとタキソール、治療できるがんの種類もほとんど一緒です。タキソテールの構造式を見ると、タキソテールとタソテールの構造はほとんどおんなじです。なぜこんなに似てる薬ができたのでしょうか。

タキソテールは、タキソールの原料を化学的に変化させてできた化合物である、というのがタキソテールがタキソールと似ている理由です。タキソールが臨床で使われるようになったのは、タキソールの原料となる10-デアセチルバッカチンIIIという化合物が見つかり、タキソールの合成法が発明されたのがきっかけです。この10-デアセチルバッカチンIIIを元にしてタキソールに良く似た化合物が合成した結果見つかったのが、タキソテールという訳です。

10-デアセチルバッカチンIIIのように、新しい薬を作る時の元になる化合物のことをリード化合物と呼びます。適切なリード化合物を見つかるかどうかが、薬作りの成否を握る大事なところです。

タキソテールの開発においても、リード化合物からいろいろな化合物を合成して、タキソールよりも強い抗がん作用を持つ化合物を見つける作業(スクリーニング)が繰り返しおこなわれました。その結果、タキソテールが見つかったのです。

タキソテールとタキソール、名前が似てる上に同じ抗がん剤。どっちがどっち、と言いたくなるくらいですが、実際の医療現場でも、紛らわしい名前の薬の代表とされています。実際にタキソテールとタキソールを取り違えた事例というのが報告されています。

本来タキソールを投与する予定の患者に、タキソテールを投与してしまったらどうなるか。

タキソテールは、タキソールの約3倍強い抗がん活性を持っています。つまりタキソテールは、タキソールの1/3の量だけ投与すればよい訳です。ところが、タキソールを投与するべき患者に、間違えてタキソテールをタキソールと同じ量だけ投与すると、患者さんには通常のタキソテール投与量の3倍量が投与されることになります。

タキソテールとタキソールの二つの薬には、ともに重い副作用が生じる可能性があるので、投与量は厳密にコントロールされなくてはいけません。それなのに、通常の治療量の3倍のタキソテールが投与されるとすると、当然のことながら、強い副作用が生じて、患者さんの命に関わる事態になります。

厚生労働省は、このような間違いを防ぐよう、製薬会社に十分な対策をとるように指導しています。例えば、タキソテール、タキソールの区別がつくように、薬の箱にはそれぞれの主成分の名前(一般名と言います)を大きく明記すること。具体的には、タキソテールはドセタキセル水和物、タキソールはパクリタキセル、という名前をでかでかと書くこと。などなど

もちろん、箱の外観だけで間違いがなくなるかと言うと、そんなに甘くはないとおもいます。製薬会社からの更なる注意喚起、商品名の変更を含めた、過誤を防ぐための環境づくりがもちろん必要です。しかし現状では、現場での処方/薬剤確認の徹底など、医療関係者すべてが気をつけなければいけないとおもいます。



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タキソテール(ドセタキセル水和物)の構造式
タキソテール(ドセタキセル水和物)の構造式

タキソール(パクリタキセル)の構造式
タキソール(パクリタキセル)の構造式

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