メジコン| 病院でもらった薬の値段Part2


メジコン
(臭化水素酸デキストロメトルファン)
メジコン(塩野義、主成分 臭化水素酸デキストロメトルファン、薬価 15mg錠 = 5.6円)は、咳止めの薬です。

メジコンは、脳の中にある咳をコントロールする部分(咳中枢)の働きを抑える働きがあります。咳中枢とは、気管に異物があると、これを吐き出させようとするために、気管に咳を出す命令を出す部分です。メジコンによって、この咳中枢の働きを抑制すると、咳の回数を減らすことが出来ます。

メジコンの主成分である臭化水素酸デキストロメトルファン、この構造、有名な鎮痛薬の構造に似ています。その薬とは、鎮痛薬の王様、モルヒネです。モルヒネは強力な鎮痛作用を持っていますが、同時に依存性が生じることがあり、麻薬として規制されています。

ということは、モルヒネに似ている臭化水素酸デキストロメトルファンにも、モルヒネと同じ麻薬としての作用があるのではないでしょうか?メジコンは大丈夫?

ご心配なく。メジコン飲んでも大丈夫。臭化水素酸デキストロメトルファンには、モルヒネのような麻薬としての作用はありません。

しかし、臭化水素酸デキストロメトルファンに非常に良く似た化合物、レボメトルファンには、モルヒネのような鎮痛作用や麻薬性の作用があります。実は、臭化水素酸デキストロメトルファンとレボメトルファンの構造式は、一目見ると全く同じ構造式に見えます。たしかに平面的にみると同一です。しかし、3次元的にこれらは全く違う構造なのです。

臭化水素酸デキストロメトルファンとレボメトルファンの関係は、手袋でいう、右手と左手の関係。化学の用語でいうと、光学異性体、といいます。右手用の手袋には右手、左手用の左手しか入らないように、モルヒネの作用部位にはレボメトルファンは入れますが、臭化水素酸デキストロメトルファンは入りません。

そのため、メジコンには麻薬的な作用はないのです。

その一方、メジコンはモルヒネとは別のメカニズムで、鎮痛作用を示すとされています。臭化水素酸デキストロメトルファンは、NMDA受容体という、痛みの発生に関係するタンパク質の作用を阻害する作用が(弱いながらも)認められているからです。つまり、メジコンを大量に投与することで、鎮痛作用を示すことが期待されます。

今のところ、メジコンの痛みに対する使用について、臨床試験が行われているようです。これまで治療薬の少なかった、慢性の痛みについて効果があるのではないかとされています。メジコンによって少しでも患者さんの苦しみがなくなるといいですね。

スポンサードリンク




メジコン(臭化水素酸デキストロメトルファン)の構造式


前の薬  病院でもらった薬の値段Part2  次の薬


プライバシーポリシー