アフタッチ| 病院でもらった薬の値段Part2


アフタッチ
(トリアムシノロンアセトニド)
 アフタッチ(帝人ファーマ、主成分トリアムシノロンアセトニド、薬価25μg錠 = 42.4円)は、アフタ性口内炎を治療するための薬です。アフタッチが用いられるアフタ性口内炎という病気は、口の中にアフタと呼ばれる、白い膜で覆われた小さな潰瘍ができる病気です。このアフタに食べ物などが当たると、口の中に鋭い痛みを感じます。アフタ性口内炎は、ストレスがたまったりしたときによく起こるとされています。

アフタッチは、このアフタの上に貼り付けて用います。アフタッチという名前は、この薬をアフタに付ける(接触する)、という意味に由来しています。アフタッチは、主成分のトリアムシノロンアセトニドがアフタの上に直接接触するため、確実にアフタに薬を届けることができます。また、アフタッチは、アフタの上に覆いかぶさることによって、食べ物がアフタに触れるのを防ぐため、口内炎の痛みを起こりにくくします。

 アフタッチは、ステロイドの一種であるトリアムシノロンアセトニドを主成分としています。アフタッチは、炎症に関与するいろんな細胞の遺伝子の働きを調節して、炎症に関わる様々なメカニズムを止めてしまいます。例えば、アフタッチは、炎症を起こす原因であるプロスタグランジンという物質の産生をとめることで、炎症の症状を抑えます。また、炎症に関与する様々な細胞を活性化する働きをもつサイトカインというタンパク質の産生をとめて、炎症が広がるのを防ぎます。

 アフタッチの特徴は、口の中の炎症を起こした場所に直接貼り付けることができるという点です。アフタッチ以前の口内炎治療薬は、軟膏タイプが多かった(「ケナログ」など)のですが、軟膏タイプでは、食事などをすると、薬がすぐになくなってしまうという欠点がありました。

そこで、より長く口の中に薬を残そうとして考え出されたのがアフタッチです。アフタッチは主成分のトリアムシノロンアセトニドと、口の中に錠剤をくっつけるためのヒドロキシプロピルセルロースによってできています。アフタッチを口の中に張りつけると、主成分は口内炎の部分にしみこんでいきます。一方、アフタッチの錠剤自体は、唾液によってゆっくりと解けていきます。薬物を吸収するのに十分な時間がたつと、アフタッチはとけ切ってしまって唾液と共に体内に吸収されるので、アフタッチをはがすという操作は必要ありません。

 アフタッチのように、薬にいろいろな細工をして、薬を決まった場所に届けるための工夫を、ドラック・デリバリー・システム(DDS; Drug Delivery System)と呼んでいます。薬の最終的な形(例えば錠剤とかカプセル剤とか粉薬)を剤形というのですが、剤形を工夫することで、より長く作用する薬や、ある特定の場所に選択的に作用をする薬などを作ることができます。
 
 DDSは、よく効く薬をさらにパワーアップさせるための魔法の道具、のようなものですね。次は、どんな魔法が出てくるのでしょうか。楽しみです。



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アフタッチ(トリアムシノロンアセトニド)の構造式
アフタッチ(トリアムシノロンアセトニド)の構造式


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