ベンザリン| 病院でもらった薬の値段Part2


ベンザリン
(ニトラゼパム)
 ベンザリン(塩野義製薬、主成分ニトラゼパム、薬価5mg 錠 = 11.2円)は、不眠症の治療に用いられる睡眠薬です。ベンザリンは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と呼ばれるタイプの薬です。ベンザリンの構造の中には、ベンゾジアゼピンと呼ばれる環構造(7つの原子でできてる輪っか)があります。ベンザリンのように、ベンゾジアゼピン構造を持っている薬を、共通してベンゾジアゼピン系薬剤と呼んでいます。

現在では、ベンザリンのほかにも、多種多様なベンゾジアゼピン系薬剤が使われています。ベンザリンは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでは、日本で最初に発売された薬です。発売から30年以上年経った現在でも、ベンザリンは広く使われています。

ベンザリンは、脳の神経細胞の働きを鎮める作用を持っています。この作用は、ベンザリンが、神経細胞にあるGABAA受容体と呼ばれるタンパク質に結合することによりおこります。

GABA(γ-アミノ酪酸)とは、神経細胞の活動を低下させる働きを持つ生体内の物質です。神経細胞の活動は、神経細胞の内外を行き来するいろんなイオン(電気をもった物質)により、電気的にコントロールされています。GABAがGABAA受容体に結合すると、神経細胞の興奮を抑える働きを持つイオン(クロライドイオン)が細胞の中に流れ込んで、神経の電気活動のスイッチをOFFにします。すると、興奮していた神経は静かになり、その結果さまざまな精神活動が低下していきます。

ベンザリンは、GABAと同じメカニズムで神経の活動を低下させることにより、神経活動を低下させ、眠気を起こすのです。

このほかにも、ベンザリンは、いろいろな神経活動に影響を与えます。ベンザリンは筋肉の動きをコントロールする神経活動を低下させることから、ベンザリンには全身の筋肉の緊張を緩める作用があります。このため、ベンザリンはてんかんの発作でおこる、全身の筋肉の異常な緊張をとりのぞくために用いられます。また、ベンザリンは、不安や恐怖を感じる神経活動も抑えます。このことから、ベンザリンは、手術に対する緊張感や恐怖・不安を鎮めるために、手術の前に投与されることがあります。

ベンザリンは、睡眠薬の中でも安全な部類に入る薬です。ベンザリンのようなベンゾジアゼピン系薬剤が世に出る以前の睡眠薬(バルビツール酸系睡眠薬)は、投与量によっては死を招く可能性もありました。バルビツール酸系睡眠薬に比べると、ベンザリンは、はるかに安全であり使いやすい薬です。

 しかし、ベンザリンが睡眠薬であることに変わりはないので、使うときには睡眠薬に共通の注意事項を守らないといけません。ベンザリンを飲んで、一眠りした後には、薬の作用が残っていて、ボーっとしたり、眠気がのこったり、体がだるかったりすることがあります。このようなときには、車の運転や危険な場所での作業は避けることが必要です。

また、ベンザリンはきちんとお医者さんの指示を守って飲まなくてはいけません。自分で勝手に量を増やしたり、飲むタイミングを変えたりすると、睡眠リズムが乱れたり、ベンザリンがないと眠れない、というベンザリンに対する依存性がでることがあります。逆に勝手にベンザリンを止めると、不安感や不眠などの精神症状が起こることがあります。

 世の中で安全といわれている薬も、使い方次第では、あっという間に危険な薬に変わります。お医者さんや薬剤師さんなどの指示に従って、きちんと服用するようにしたいものです。


スポンサードリンク



ベンザリン(ニトラゼパム)の構造式
ベンザリン(ニトラゼパム)の構造式


前の薬  病院でもらった薬の値段Part2  次の薬


プライバシーポリシー