ペンタサ| 病院でもらった薬の値段Part2


ペンタサ
(メサラジン)
 ペンタサ(杏林製薬、主成分メサラジン、薬価 250mg錠 = 55.4円)は、潰瘍性大腸炎やクローン病などの腸の病気の治療薬です。潰瘍性大腸炎やクローン病では、原因不明の腸の炎症によって、下痢や腹痛などの症状を起こし、ひどい場合には、腸を摘出しなくてはいけなくなったりします。これらの病気には、いまだ特効薬と呼ばれる薬はなく、ペンタサは数少ない治療薬の1つとして用いられています。

ペンタサは、腸の炎症に関わるさまざまな分子の働きを抑えることができます。ペンタサは、「フリーラジカル」や「過酸化脂質」と呼ばれる、腸の細胞を傷つける分子の作用をなくします。また、ペンタサは、免疫細胞を活性化して炎症をひどくする原因となる「ロイコトリエン」という生体内物質の産生を止める作用も持っています。このように、ペンタサは、腸の細胞を傷つけることを防いだり、炎症の原因となる免疫細胞の活性化を防ぐことで、潰瘍性大腸炎やクローン病の症状を抑えます。

ペンタサの主成分であるメサラジンは、サラゾスルファピリジンという化合物から見つかりました。もともと、サラゾスルファピリジンは、関節リウマチで起こる関節炎の治療薬として開発されました。そして、この抗炎症作用が潰瘍性大腸炎にも通用することが発見されたので、サラゾスルファピリジンは潰瘍性大腸炎の治療薬として用いられるようになりました。

しかし、サラゾスルファピリジンを服用すると、高い頻度で頭痛、胃炎などの副作用が起こりました。その原因を調べると、次のようなことが分かりました。

サラゾスルファピリジンは、体内でメサラジンと、スルファピリジンという2つの化合物に分解します。実は、この2つの化合物の中で、潰瘍性大腸炎に効果をしめすのがメサラジン、副作用の原因となるのがサラゾスルファピリジンだったのです。

ということは、メサラジンだけを薬にしてやれば、副作用が少ない薬ができる、、というアイデアで開発されたのがペンタサです。

ただし、メサラジンはそのまま飲み込むと胃で速やかに吸収されてしまい、炎症が起こっている小腸や大腸まで届きません。そこで、ペンタサでは、ゆっくり溶ける錠剤(「経口放出調節製剤」)を用いることで、小腸や大腸に薬がまんべんなく届くよう工夫されています。

ペンタサは、最近の新薬に比べると、非常にシンプルな構造式をしているのですが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病に立ち向かえる能力を持っています。ペンタサって、小さな虫にも五分の魂、、のようなものかもしれませんね。



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ペンタサ(メサラジン)の構造式
ペンタサ(メサラジン)の構造式


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