ミケラン| 病院でもらった薬の値段Part2


ミケラン
(カルテオロール塩酸塩)
 ミケラン(大塚製薬、主成分カルテオロール塩酸塩、薬価 5mg錠 = 20.2円、1%点眼薬 = 231.9円)は、血圧を下げたり、狭心症の治療に用いられる薬です。ミケランは、心臓が収縮して血液を送りだす働きを抑える作用をもっています。

ミケランが高血圧の治療に使われる目的は、「心臓から出る血液の圧力を下げる」ためです。高血圧では、心臓が血液を押し出す力に対して、全身の血管が何らかの原因で流れが悪くなるために、血液にかかる圧力が大きくなっています。ミケランは、心臓から血液が押し出す力を小さくすることで、血液にかかる力を小さくすることができます。

また、ミケランが狭心症の治療に用いられる目的は、「心臓の動きを弱めて心臓を休ませる」ためです。狭心症では、心臓に酸素や栄養を供給する冠状動脈という血管が狭くなることで、心臓に酸素や栄養がいきわたらなくなり、心臓の筋肉が障害を受けます。ミケランは、心臓の働きを弱めることで、心臓の筋肉が必要とする酸素や栄養の量を減らし、心臓の細胞を保護することができます。

ミケランは、心臓の筋肉を収縮させる働きを持つβアドレナリン受容体(β受容体)というタンパク質の働きを抑えます。心臓の収縮をコントロールしているのはカテコラミンと呼ばれる物質です。カテコラミンが心臓の筋肉にあるβ受容体に結合すると、β受容体は活性化されて、心臓の筋肉を収縮させるためのスイッチをオンにします。ミケランはβ受容体に結合する能力があるので、カテコラミンがβ受容体に結合するのを邪魔します。その結果、心臓の働きを弱めることができます。

ミケランは心臓の病気のほかにも、点眼薬として緑内障という目の病気にも使われています。緑内障は、目の中に栄養補給を行うための房水という液体が、目の中から出にくくなって目の中にたまることで、目の中の圧力(眼圧)が増加し、目の神経を障害し、失明に至ることもある病気です。

この房水が作られるときには、β受容体が大きな役割を果たしています。ミケランは、β受容体の働きを抑えて、房水が作られるのを抑制することで、目の圧力をさげ、目の神経が壊れるのを防ぎます。

心臓と目の病気に、おなじ作用メカニズムの薬が使われるのは意外ですね。β受容体は全身にあって、様々な生理作用をコントロールするからこそ、いろいろな病気に関与しているのです。




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ミケラン(カルテオロール塩酸塩)の構造式
ミケラン(カルテオロール塩酸塩)の構造式


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