キサラタン(主成分ラタノプロスト)とはどんな薬?

キサラタン(ファイザー、主成分ラタノプロスト)は、緑内障という目の病気の治療に用いられる点眼薬です。緑内障では、目の中に流れ込む水(房水)が外に出にくくなり、眼球中の圧力(眼圧)が高くなって、視覚を伝える視神経がダメージを受け視力が低下します。主成分のラタノプロストは、房水の出口である毛様体平滑筋に作用し、房水が外に流れやすくして眼圧を下げ、緑内障の進行を止めます。

緑内障は、目に流れ込む水(房水)が何らかの原因で外に出にくくなり、眼球内の圧力(眼圧)が上がる病気です。眼圧が高い状態が長い時間続くと、網膜が受け取った光の信号を脳に伝える視神経がダメージを受けて死んでしまいます。すると視力低下が進行して、最悪な場合には失明に至ります。

緑内障の治療には眼圧を低下させる必要があります。キサラタンは、目から房水を出やすくすることで、眼圧を下げます。

キサラタンの主成分であるラタノプロストは、プロスタグランジンF2αと呼ばれる物質の構造を改良することによって作られました。プロスタグランジンF2αは、房水の眼球からの出口である毛様体平滑筋という部分に作用して、房水が目から流れ出やすくします。

プロスタグランジンF2αは、毛様体平滑筋の表面にあるプロスタノイド受容体(FP受容体)に結合して活性化させ、毛様体平滑筋の水の通りやすさを高めます。ラタノプロストも、FP受容体に結合して活性化させる働きがあるので、キサラタンを点眼すると眼球から水が出やすくなり、眼圧が下がります。

キサラタンの登場前には、プロスタグランジンF2αの点眼剤を緑内障治療薬として使えないか、という研究が行われました。ロスタグランジンF2αは、もともと子宮を収縮させ陣痛を促進させる目的で用いられていましたが、点眼すると眼圧が下がることが1980年代初めに確認されました。そこで、緑内障に対する効果を調べるための臨床試験が行われました。

しかし、プロスタグランジンF2αには、微量で全身の血管を拡張させる作用があり、血管拡張による頭痛や目の充血、刺激という副作用が起こりました。そのため、プロスタグランジンF2α自体を薬にすることは断念されました。

そこで、プロスタグランジンF2αの構造を改良して、目にだけ効果を示す化合物の開発が行われ、その結果見出されたのがラタノプロストです。血管拡張作用による副作用は、FP受容体以外のタンパク質により起こります。ラタノプロストは、FP受容体に選択的に結合する性質があったので、キサラタンでは副作用を減らすことができました。

キサラタンは一日一回一滴の点眼で十分効果を示します。効果は強く点眼回数は最小限でOKという、とても使いやすい薬です。


キサラタン(主成分ラタノプロスト)の構造式