モディオダール(モダフィニル)とはどんな薬?

モディオダール(アルフレッサファーマ,主成分モダフィニル)は,ナルコレプシー(日本語では「居眠り病」とも呼ばれます)という睡眠障害の治療薬です。ナルコレプシーとは、通常は眠気を感じない日中にひどい眠気を繰り返し感じ,何度も居眠りをしてしまう病気で、モディオダールはこの眠気を防ぐために用いられる薬剤です。

ナルコレプシーの眠気を防ぐための治療には、中枢神経興奮作用をもつ薬剤が有効と考えられてきました。モディオダールが登場するまでは,リタリン(主成分塩酸メチルフェニデート)などの精神刺激薬が用いられていました。

しかし,リタリンは作用メカニズムが覚せい剤と似ているため(ドパミンという神経伝達物質の働きを高める作用),依存性から薬物乱用に至る可能性がありました。そのため,リタリンとは異なるメカニズムであるナルコレプシー治療薬の開発が望まれ,結果として登場したのがモディオダールです。

モディオダールの作用機序はよくわかっていませんが,さまざまな動物実験から、主成分のモダフィニルは脳内におけるヒスタミンの働きを強めることがわかっています。

ヒスタミンは,アレルギーや炎症の際に生体内に分泌される物質として知られています。ヒスタミンの働きを抑える薬(抗ヒスタミン薬)は、炎症やアレルギー症状を抑えることができるので,風邪薬やアレルギー鼻炎の薬として使われています。

一方、脳の中でヒスタミンは神経活動を活性化させる役割を持っています。抗ヒスタミン薬を服用すると、副作用で強い眠気を感じますが,これは脳内のヒスタミンの働きを薬剤が止めてしまうからです。モディオダールは脳内におけるヒスタミンの働きを強める作用をもっているので,抗ヒスタミン薬と反対に眠気を防ぐ効果を示すのです。

モダフィニルは,リタリンとは異なりドパミンを介した中枢作用には関与していません。そのため,覚せい剤で見られる依存性や行動異常は起こず,モディオダールは安全なナルコレプシー治療薬と考えられます。

ただし,実際にモディオダールを患者さんに使用すると,低い頻度ではありますが幻覚症状などの精神症状がでることがあります。そのため,モディオダールは向精神薬に指定され,その使用は法律によって規制されています。

モディオダール(モダフィニル)の構造式