バップフォー(塩酸プロピベリン) 薬の豆知識
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バップフォー| 病院でもらった薬の値段Part3

バップフォー

(塩酸プロピベリン)


バップフォー(大鵬薬品,主成分塩酸プロピベリン,薬価 10mg 錠 = 84.3円)は,頻尿の治療に用いられる薬です。頻尿は,さまざまな原因によりおしっこにいく回数が増える状態です。とくに,夜に起こる頻尿は,睡眠の妨げになることから非常にしんどい状態とされています。バップフォーは,膀胱の筋肉に働きかけて,おしっこの回数を減らす作用を示します。

頻尿の状態では,膀胱の筋肉(膀胱平滑筋)が収縮しやすい状態になるため,膀胱にすこしの尿がたまっただけで尿意を感じ,おしっこにいきたくなります。バップフォーは,膀胱の筋肉を緩め,収縮させにくくする作用があります。そのため,バップフォーを服用すると,頻尿の状態のときより尿を膀胱にためることができるようになります。

バップフォーが標的としているのは,膀胱平滑筋の表面にあるアセチルコリン受容体(正確にはM3受容体)とカルシウムチャネルという2種類のたんぱく質です。

M3受容体は,神経が膀胱の収縮をコントロールする際に必要となるたんぱく質です。膀胱を収縮させるためには,膀胱の働きをコントロールしている副交感神経から,アセチルコリンという物質が放出され,膀胱の表面にあるM3受容体に結合する必要があります。アセチルコリンがM3受容体に結合して活性化されると,膀胱の筋肉を収縮させるスイッチが入り,膀胱は尿を体外に出そうとします。

バップフォーは,このM3受容体に結合する性質があり,アセチルコリンがM3受容体を活性化させるのを邪魔します。そのため,バップフォーを服用すると,アセチルコリンによる膀胱の収縮がとまり,膀胱の尿を出そうとする働きが弱められて,おしっこにいく回数が減るのです。

一方,カルシウムチャネルは膀胱平滑筋が収縮するときに活躍するたんぱく質です。膀胱平滑筋の収縮のスイッチが入ると,それに引き続きカルシウムチャネルが活性化されます。カルシウムチャネルは,筋肉細胞の表面にある開閉可能なトンネルのようなものです。カルシウムチャネルが活性化されると,トンネルに穴が開きカルシウムが細胞の外から細胞内に流れ込みます。この細胞内に流れ込んだカルシウムによって,細胞内のカルシウム量が増えることがきっかけとなり,筋肉の収縮がはじまるのです。

バップフォーは,カルシウムチャネルに結合する作用も持っており,カルシウムが細胞の中に入り込まないようにしてしまいます。すると,筋肉の収縮のきっかけが失われるので,膀胱は収縮して尿を体外に出すことができません,つまり,バップフォーによって膀胱の収縮が止まるので,おしっこの回数が減ることになります。

このように,二種類のメカニズムによってバップフォーは頻尿の治療効果を示します。頻尿は高齢者に多く起こる症状であり,高齢化社会が進む日本では頻尿の患者さんがどんどん増えています。バップフォーは生まれてから20年以上たつ古い薬ですが,これからの日本にますます必要とされる薬なのです。


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バップフォー(塩酸プロピベリン)の構造式
バップフォー(塩酸プロピベリンの構造式)

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