フルメトロン(フルオロメトロン)とはどんな薬?

フルメトロン(参天製薬、主成分フルオロメトロン)は、目の炎症の治療に用いられる点眼薬です。花粉症でおこるアレルギー性結膜炎や、白内障・緑内障などで行なわれる目の手術で起こる炎症に対して使用され、かゆみや痛みを軽減します。主成分であるフルオロメトロンは、副腎皮質ステロイド(ステロイド)と呼ばれる種類の化合物で、免疫細胞に働きかけ、炎症反応をコントロールする様々な物質の合成量を変化させ、強力な抗炎症作用を示します。

フルメトロンは、ウイルスや細菌の感染で起こる炎症に使用してはいけません。免疫細胞の働きを低下させる作用メカニズムを持つので、感染症に用いると症状を悪化させる可能性があります。

目は外界へ露出された臓器なので、花粉やハウスダスト、細菌やウイルスと常に接触しています。そのため、結膜や角膜では、アレルギー反応や感染症による炎症が起こりやすくなっています。フルメトロンは、主にアレルギー反応による炎症(アレルギー性結膜炎など)の治療に利用されます。

フルメトロンの主成分であるフルオロメトロンは、細胞内のグルココルチコイド受容体というタンパク質に結合し活性化させます。活性化された受容体は、DNAからタンパク質が作られる場所である「核」に移動し、DNAからのタンパク質合成を制御する「転写因子」として働きます。転写因子は、DNAの特定の部位に結合し、タンパク質の合成量を高めたり弱めたりする役割を持っています。

フルオロメトロンが結合したグルココルチコイド受容体は、炎症を悪化させるタンパク質(サイトカイン、ケモカイン)の産生量を低下させ、炎症を軽くするタンパク質(リポコルチン、IκB)の産生量を増加させます。全体でみると、炎症を改善させる方向にタンパク合成が変化し、免疫細胞の機能は低下します。「多くの遺伝子の作用を通じて、免疫細胞の活性化を低下させる」という作用メカニズムから、フルメトロンの作用は非常に強力です。

ただ、免疫細胞の働きを低下させることは、免疫力を下げ外敵に対する防御反応を低下させるいうことでもあります。そのため、細菌やウイルスの感染で起こる結膜炎や角膜炎(例:はやり目、プール熱、細菌性結膜炎)については、フルメトロンを使用しない方が良いとされています。免疫機能が低下し症状がかえって悪化する可能性があるため、抗生物質や抗菌剤の使用が望ましいです)。

ステロイドはさまざまな生体機能を調節していることから、内服での使用時は副作用への注意が必要です。ただ、フルメトロンは点眼薬なので目の炎症部位でのみ作用することから、全身性の副作用は起こらないと考えてよいでしょう。


フルメトロン(フルオロメトロン)の構造式