イメンド(アプレピタント) 薬の豆知識
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イメンド| 病院でもらった薬の値段Part3

イメンド

(アプレピタント)


イメンド(小野薬品、主成分アプレピタント、薬価 80mg カプセル = 3263.8円)は、吐き気を副作用として持つ化学療法において用いられる、吐き気を押さえるための薬(制吐薬)です。イメンドは、もともと米国のメルク社で開発された薬で、日本でも2009年に小野薬品から発売されました。

吐き気を副作用として持つ抗がん剤としては、シスプラチンが挙げられます。シスプラチンを投与すると、投与の直後から吐き気が起こり、投与の翌日以降も吐き気が続きます。

このような抗がん剤による吐き気の抑制には、主に5-HT3受容体拮抗薬という薬が用いられてきました(代表的な薬としては、ゾフラン、セロトーンなど)。

抗がん剤は、腸の細胞を刺激してセロトニンという物質を分泌させます。このセロトニンが腸の神経を刺激することで吐き気が起こります。5-HT3受容体拮抗薬は、セロトニンの働きを抑えることで吐き気を抑えます。

しかし、5-HT3受容体拮抗薬にも弱点があります。5-HT3受容体拮抗薬は、抗がん剤の投与当日に起こる急性の吐き気は抑えるのですが、投与の次の日に起こる吐き気には効きが弱いのです。

イメンドは、この「遅れて起こる吐き気」を起こしにくくするための薬です。

「抗がん剤の投与直後の吐き気」は、セロトニンの分泌により生じます。

一方、「遅れて起こる吐き気」は、腸の神経が関与するものというよりは、脳に原因があることが分かってきました。原因となる物質は、脳内にあるサブスタンスPという物質です。「遅れて起こる吐き気」に5-HT3受容体拮抗薬が余り効果を示さないのは、腸の神経におけるセロトニンの関与よりも、サブスタンスPの関与の方がより高いことが原因です。

脳内には、「吐き気を起こす化学物質」を検出する部位である「化学受容器引き金帯」および「検出された信号に反応して実際に吐き気を起こす命令」を出す部位「嘔吐中枢」があります。この二つの部位が活動するには、これらの部位にサブスタンスPが働きかけることが必要です。

サブスタンスPが作用を示すには、サブスタンスPが「化学受容器引き金帯」や「嘔吐中枢」にある「NK1受容体」というタンパク質に結合しなければいけません。イメンドは、サブスタンスPがNK1受容体に結合するのを抑制します。そのため、イメンドは「NK1受容体拮抗薬」と呼ばれています。

イメンドは、サブスタンスPの働きを抑制するので、サブスタンスPの関与が大きい「遅れて起こる吐き気」が治まるというわけです。

抗がん剤治療の吐き気は、治療を受ける患者さんにとって非常につらいものです。5HT3受容体拮抗薬とイメンドのようなNK1受容体拮抗薬をうまく組み合わせることで、抗がん剤による吐き気を、これまでよりも確実に抑制することができるようになったのです。

がんの化学療法では、主役となる抗がん剤の開発とともに、治療をサポートするためのイメンドのような薬も重要です。イメンドのようなサポート薬の開発は、製薬会社にとってもこれからの大きな課題です。

イメンドの構造式

イメンド(アプレピタント)の構造式


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