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ゾフラン
(塩酸オンダンセトロン)
セロトニン関連の薬、第4弾です。
ゾフラン(グラクソ・スミスクライン、主成分塩酸オンダンセトロン、薬価 2mg錠 = 848.5円)は、抗がん剤(シスプラチンなど)の副作用である吐き気を抑制するための薬です。抗がん剤治療での吐き気は、患者さんのQOL(生活の質)を悪くしたり、ひどくなると食物を食べられないため栄養状態にも影響を与えます。そこで、抗がん剤治療をスムーズに進めるために、ゾフランのような薬が必要とされています。

ゾフランはセロトニンの働きを抑制します。ゾフランは、生体内のセロトニン受容体(セロトニンは5-hydroxytryptamine, 略して 5-HTともよばれるので、以下、セロトニン受容体を5HT受容体と表します)というタンパク質の作用を抑制します.。セロトニンは、5HT受容体に結合することで、細胞にシグナルを伝えるのですが、ゾフランはこのセロトニンの作用を抑制します。

セロトニンと吐き気とはどのような関係があるのでしょうか。
5HT受容体は、消化管に分布している神経(求心性迷走神経)に存在しています。求心性迷走神経とは、消化管からのシグナルを脳へと伝える神経です。この求心性迷走神経は、脳の嘔吐中枢という部分に繋がっており、セロトニンにより活性化されます。嘔吐中枢は、文字通り吐き気を催すシグナルを出す所であり、求心性迷走神経により嘔吐中枢が刺激されると、吐き気のシグナルが出力されます。

抗がん剤が消化管へ到達すると、抗がん剤の刺激により、消化管の細胞(EC細胞という種類の細胞です)からセロトニンが放出されます。このセロトニンが、求心性迷走神経の5HT受容体を刺激し、嘔吐中枢を通じて吐き気を催すのです。ソフランを抗がん剤投与前に服用すれば、EC細胞からセロトニンが放出されても、ゾフランによりセロトニンの作用は抑制され、求心性迷走神経が活性化されることはありません。つまり、抗がん剤による吐き気を押さえることが出来る訳です。

生体内には、数多くの5HT受容体が存在しており、現在10種類以上の5HT受容体が知られています。これらの中で、ゾフランのターゲットとなる5HT受容体は5HT3受容体です。以前紹介したイミグラン(片頭痛の薬)が作用する受容体は、5HT1Bおよび5HT1D受容体でした。ゾフランは5HT3に対する作用が強く、5HT1Bおよび5HT1D受容体など、他のセロトニン受容体に対する作用は弱い(もしくはほとんどない)薬です。ゾフランのような薬を5HT3受容体選択的な薬と呼びます。病気に関連する特定の受容体に対して選択的な薬剤は、副作用を少なくできるという大きな利点があります。選択性は薬作りの上での重要な指針となっています。


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ゾフラン(塩酸オンダンセトロン)の構造式
ゾフラン(塩酸オンダンセトロン)の構造式

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