エピペン(アドレナリン) 薬の豆知識

エピペン| 病院でもらった薬の値段Part3

エピペン

(アドレナリン)


エピペン(マイラン製薬、主成分アドレナリン、薬価 0.15mg 1筒 = 8112円)は、アレルギー症状の一つであるアナフィラキシー反応の補助治療に用いるための薬剤です。

エピペンは注射剤であり、簡単に注射できるよう、注射器に薬液があらかじめ充填された注射キットとして提供されています(使い方についてもキットに書かれています)。注射器を大腿部に強く押し付けるだけで、注射器に仕込まれたバネの力で薬液を体内に速やかに注入することが可能です。

アナフィラキシー反応とは、生命に関わることもある非常に重篤なアレルギー反応です。アナフィラキシー反応は、蕁麻疹や皮膚の赤みという症状に加え、呼吸困難や急激な血圧低下、意識傷害などの全身症状が見られます。これらの症状は、時には生命に関わることもあります(そのため、アナフィラキシーショックとも呼ばれます)。

このようなアナフィラキシー反応は、非常に早いスピードで進むので、初期症状が起こったらすぐに何らかの処置をしなくてはいけません。その処置のための薬がエピペンなのです。エピペンを使うと、アナフィラキシー反応の早い段階で、自分で薬液を注射し、速やかに症状に対応することができます。とはいえ、子ども等の場合は、自分で投与することが難しいこともあります。そのため学校では、処方を受けた本人ではなく教員の方が代わりに投与できることになっています(教職員のための講習会も行われているようです)。

アナフィラキシー反応の原因になる物質は、食物・薬剤・ハチの毒などがよく知られています。アナフィラキシー反応の原因となる物質がわかっている人の場合(たとえば、食物アレルギーやハチにさされる機会が多い人)は、エピペンを常に携帯することで、たとえアナフィラキシー反応が起こったとしても速やかな対応が可能です。私の知人でも、ピーナツアレルギーの人がいるのですが、やはりエピペンを常に携帯していると話してくれました。

エピペンの成分であるアドレナリンは、生体内での様々な生理機能に関与する物質です。アナフィラキシー反応においてアドレナリンは、おもに心臓・血管・気管に作用します。

アナフィラキシー反応では、全身の血管の筋肉が緩み血圧が低下します(血圧は、血管の収縮力を反映しています)。血管の筋肉の弛緩によって血管は急激に弛緩し、血液が全身にたまってしまいます。すると、血液が心臓に戻らず、心臓から血液が送り出しにくくなります。こうなると脳に新鮮な酸素を含む血液が行き渡らなくなり、意識障害が起こったりします。

アドレナリンは、血管の筋肉を強く収縮させる作用を持ちます。そのため、アナフィラキシー反応で起こる、血管の弛緩を改善させることができます。また、アドレナリンは心臓の筋肉の収縮力を強めたり、心拍数をあげる作用を持っているので、血液循環を高めることができます。

また、アドレナリンは、気管の筋肉については筋肉を緩める作用を示します。アナフィラキシー反応でおこる呼吸困難では、気管の筋肉が収縮して気管が狭まっています(喘息のような症状)。というわけで、アドレナリンは、この気管の狭まりを改善することができるのです。

エピペンは長いこと使われている薬剤(海外では20年以上)です。しかし、もともと値段が高い薬剤なだけに、保険適応が望まれてきました。日本でエピペンに健康保険が適用されたのは2011年9月になってからです。食物アレルギーによるアナフィラキシー反応についての効能が認められたことで、エピペンのお世話になっている食物アレルギーの患者さんが強く働きかけたことから、保険が適応できるようになったとのことです。

ちょっと遅すぎた感もありますが、必要なものが必要な人に行き渡りやすくなった状況は、喜ぶべきことだと思います。

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エピペン(主成分アドレナリン)の構造式

エピペンの主成分:アドレナリンの構造式



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