アズノールうがい液(アズレンスルホン酸ナトリウム)とはどんな薬?

アズノールうがい液(日本新薬、主成分 アズレンスルホン酸ナトリウム )は、口の中の炎症( 咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎)や口の中の傷によって起こる腫れや痛みをおさえるために用いられます。

アズノールうがい液の主成分であるアズレンスルホン酸ナトリウムは、炎症を起こすヒスタミンの量を減らしたり、炎症の原因となる白血球が炎症部位に集まらないようにして、炎症による症状を和らげます。

アズノールうがい液は、その名前の通り、水で薄めてうがいして(難しい言葉では「含嗽」(がんそう)と言います)服用します。

普通、「うがい」という言葉からは「風邪の予防」とか「のどの殺菌」というイメージが浮かびます(例:イソジンうがい薬)。しかし、アズノールうがい薬の効能は、「風邪の予防」や「のどの殺菌」ではなく「風邪や口内炎、歯肉炎などが原因でおこった炎症の治療」です。つまり、「うがいによる予防」ではなく「すでに起こった症状に効く」というわけです。

アズノールという名前は、有効成分である「アズレンスルホン酸ナトリウム」の「アズレン」に由来します。

アズレンは美しい青色をした化合物で、スペイン語で「青い」を意味する「azul」にちなんで名付けられました。アズノールうがい液も、もちろん美しい青色をしています。

アズレンは、もともと「カミツレ」というキク科の植物の精油から見つかりました。ヨーロッパでは、古くからこの植物を胃腸薬や炎症の治療に使われており、有効成分についての科学的研究が18世紀後半から行われました。その結果、見つかったのがアズレンというわけです。

アズレンは、もともと水に溶けにくい性質を持っています(精油成分なので油に溶けやすく水に溶けにくい)。アズノールうがい薬では、うがい薬とするために、アズレンを水に溶けやすいアズレンスルホン酸ナトリウムという化合物に変換しています。

アズレンは、炎症における腫れや痛みの原因となるヒスタミンの量を減らします。炎症時には、皮膚・粘膜中にいる肥満細胞(マスト細胞)という免疫細胞が放出するヒスタミンが、血管からの水分を漏れやすくして水ぶくれを作ったり、痛みやかゆみを起こします。アズノールでうがいすると、口の粘膜でのヒスタミン放出がとまり、のどの腫れや痛みなどの症状が改善するsというわけです。

また、アズレンは、炎症を起こす原因となる白血球が、炎症部位に集まる(遊走といいます)のを止めます。アズノールでうがいすると、炎症を起こす主人公が現場に登場できないので、炎症の進行を止められるというわけです。

このように、アズノールうがい液は、うがいによって薬の成分であるアズレンを直接口の粘膜に効率的に届け、複数のメカニズムで口やのどの炎症を改善します。

アズノールというブランドは、アズレン(の類縁化合物)が含まれた薬について用いられています。うがい薬のほかにも、軟膏や点眼剤、錠剤が用意されてます。


アズノールうがい薬(アズレンスルホン酸ナトリウム)の構造式