アスベリン(チペピジンヒベンズ酸塩) 薬の豆知識
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アスベリン| 病院でもらった薬の値段Part3

アスベリン

(チペピジンヒベンズ酸塩)


アスベリン田辺三菱製薬、主成分 チペピジンヒベンズ酸塩、薬価 20 mg錠 = 9.6円)とは、咳を止めるために用いられる薬です。また、アスベリンには痰の分泌を抑制したり、痰を排出させやすくする作用もあります。そのため、アスベリンは風邪や気管支炎の患者さんに処方されます。

アスベリンは、脳の延髄という部分にある「咳中枢」の働きを抑制することで咳を止めます。のどの粘膜や気管支の粘膜に何らかの異物が触れると、粘膜上の神経を介して咳中枢に「異物が入った」という信号が入ります。すると咳中枢は、咳を起こすために必要な筋肉を刺激させて、咳を生じさせます。アスベリンは、咳中枢の働きを弱めることで、気管からの信号に対する反応を弱めて咳ができにくくするというわけです。

アスベリンのような咳中枢を抑制する薬としてよく知られているのは、「リン酸コデイン」です。リン酸コデインは咳中枢を抑制しますが、同時に痛みを止める作用を持っています。これは、リンコデが痛みを止める作用を持つ「μオピオイド受容体」を活性化させる作用を持つからです。この「μオピオイド受容体」は麻薬であるモルヒネの作用部位であり、麻薬が持つ習慣性の原因となります。そのため、リン酸コデインを高用量で含む薬の中には麻薬指定を受けるものもあります(咳止めとして出されるリン酸コデインの散剤は量が少ないので麻薬ではありません)。

そこで、リン酸コデインのような化合物でありかつ痛みを止める作用がないものを作れば、麻薬としての性質を持たない咳止め薬がつくれるというアイデアが生まれました。アスベリンの開発会社である田辺製薬の研究者は、3-Piperidino-1,1-Dithienylpropanolという痛みを止める作用をもつ化合物の構造を変化させ、このアイデアの実現を試みました。その結果、生まれた薬がアスベリンです。アスベリンは、動物の咳を止める能力においてはリン酸コデインとほぼ同じ能力をもち、痛みを止める作用は持ちません。アスベリンが日本で発売されたのは1959年のことでした。アスベリンのような薬は多量に服用しても麻薬としての作用を示さないことから、非麻薬性鎮咳薬と呼ばれています。

アスベリンには、咳中枢への作用とは別に気管支からの分泌液を増やしたり、気管支の粘膜にある繊毛の運動を活発にする作用もあります。風邪などで痰が気管支の中にある場合、痰がネバネバしているとなかなか排出できません。アスベリンよって気管支からの分泌地が亢進すると痰のネバネバが少なくなり、痰を外に出しやすくなります。また、気管支の繊毛は痰を外へ運び出す働きをもつ細かい毛です。アスベリンは、繊毛の動きを活発にして、痰が外へ出やすくさせます。

アスベリンの「ひとつの薬で脳にも気管支にも働きかける」という性質は、薬を作る立場の人間から見ると、とても面白いものです。

 


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アスベリンの主成分:チペピジンヒベンズ酸塩の構造式

アスベリンの主成分:チペピジンヒベンズ酸塩の構造式



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