プレタール(シロスタゾール)とはどんな薬?

プレタール(大塚製薬、主成分シロスタゾール)は、慢性動脈閉塞症の症状を改善するための薬です。

慢性動脈閉塞症では、手足の血管が狭くなって血行障害がおこり、皮膚などに十分な酸素や栄養が届かないので、痛み・冷え性・潰瘍などの症状が起こります。

プレタールの主成分であるシロスタゾールは、血液を凝固させる血小板という細胞の機能を低下させたり、狭くなった動脈を広げることで。血行障害を改善します。

また、プレタールは、血液を固まりにくくするという効果から脳梗塞の再発予防のためにも用いられます。

プレタールが使用される慢性動脈閉塞症は、手足の動脈が狭くなり血流が悪くなる病気です。血行障害により皮膚や筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、さまざまな症状(虚血性症状)が起こります。

慢性動脈閉塞症の初期症状は、手足のしびれや冷えで、病状が進行すると、歩行時に足が痛み休むと痛くなくなる「間欠性跛行」(かんけつせいはこう)が起こります。そして、重症になると、安静時でも疼痛がおこったり、手足に傷ができても栄養不足で治りが悪く潰瘍になったりします。

慢性動脈閉塞症では、血管が狭いため血液が固まりやすくなっていて、血流障害の原因になっています。プレタールは、血液や血管に作用して、末梢動脈の血流を改善させて、血流障害による虚血性症状を改善します。


プレタールの主成分であるシロスタゾールは、細胞内にある酵素タンパク質ホスホジエステラーゼ3(phosphodiesterase3;PDE3)の機能を低下させるPDE阻害薬という種類の薬です。

PDE3は、細胞内のさまざまな生理機能をコントロールするサイクリックAMP(cAMP)という物質を分解します。cAMPは、動脈の血流調節に関わるいろいろな細胞機能に関与します。プレタールを服用すると、シロスタゾールがPDE3を阻害してcAMPが壊されなくなり、細胞内のcAMP量が増加して血液や血管の細胞に血流改善につながる変化が起こります。

  1. 血小板に対する作用
  2. 血管が狭くなり血流が悪くなると、血液中の血小板という細胞が集まり(血小板凝集)、血液が固まるきっかけとなります。血小板は細胞内cAMP量が多いと凝集しにくくなります。プレタールを服用すると、cAMP量が増加して血小板凝集が抑制され、血液が固まりにくくなり血流が改善します。

  3. 血管に対する作用
  4. 血管の筋肉(血管平滑筋)の収縮力は、細胞内のcAMPが増加すると低下します。プレタールを服用すると、血管平滑筋の細胞内cAMPが増加して収縮力が低下します。すると、血管が緩んで拡張し、血液が流れやすくなります。

プレタールは、血小板凝集の抑制作用と血管拡張作用の合わせ技で、動脈の血流を改善して、血流不足による症状を改善できます。

また、血小板凝集抑制によって血液が固まりにくくなることから、プレタールは脳梗塞の再発予防にも用いられます。

脳梗塞は、脳の血管に血の塊が詰まり、神経細胞に酸素が届かず障害が起こる病気です。治療で運動障害などの症状は改善しますが、血液が固まりやすい状態が続くと再発する可能性はあります。このような場合、プレタールが再発リスクを低下させるため用いられます。


プレタール(シロスタゾール)の構造式