クレナフィン爪外用液(エフィナコナゾール)とはどんな薬?

クレナフィン爪外用液(科研製薬、主成分エフィナコナゾール)は、爪の中に白癬菌が感染して起こる爪白癬の治療に用いられる塗り薬です。

クレナフィンの主成分であるエフィナコナゾールは、爪の厚い皮膚組織を通り抜けて白癬菌を攻撃し、細胞の内外の仕切りである細胞膜の材料(エルゴステロール)を作れなくして水虫菌に対する殺菌作用を示します。

薬価=薬の値段

クレナフィン外用液10%の薬価(2019年3月現在)

爪白癬は、カビの仲間である白癬菌が爪の中に感染して起こる病気です。白癬菌は水虫の原因であることから、爪水虫とも呼ばれます。この病気では、爪を作る角質という皮膚組織が分厚くなって爪が白くにごります。白癬菌は角質を食べて成長するので、病気が進行すると爪がもろくなり炎症が起きて痛みを生じます。

クレナフィンの主成分であるエフィナコナゾールは、白癬菌の細胞膜の原料となるエルゴステロールの合成を低下させ、細胞膜を作れなくして、強力な抗菌作用を示します。

細胞膜は、細胞の内外を仕切るためにあり、エルゴステロールなどの脂質が集まってできています。エフィナコナゾールは、エルゴステロールの原料であるラノステロールの細胞内変化(ラノステロール14位メチル基の脱メチル化反応)を抑制します。

その結果、白癬菌はエルゴステロールを合成できず、膜がもろくなって細胞の内部と外部がつながってしまい、生命活動ができなくなります。このようにして、クレナフィンは抗菌作用を示すのです。(参考記事:

白癬菌は水虫の原因であるので、水虫用の塗り薬が爪白癬の治療にも使えそうに思えます。しかし、爪を作る角質は薬剤を非常に通しにくいので、薬剤を白癬菌まで届けることは非常に困難です。クレナフィンが発売される前は、爪白癬に対する外用薬はなく、飲み薬が用いられていました。

しかし、内服可能な白癬菌治療薬には肝障害などの全身性の副作用や、一緒に服用する薬剤によっては効果が高まって有害な作用を引き起こす(薬物相互作用)ため、薬の選択肢が制限されるなどの問題点がありました。クレナフィンは、これらの欠点を塗り薬にすることで改善するという目的で開発された薬です。

薬剤が爪を通り抜けられないのは、白癬菌がいる場所に薬が届くまでに薬剤が角質の成分であるケラチンとくっつき動けなくなるからです。しかし、エフィナコナゾールは、ケラチンと結合しにくいので、爪の上から塗っても患部まで十分な量の薬剤が届きます。しかも、薬剤が皮膚にとどまるので、血液によって全身に運ばれることはありません。そのため、クレナフィン外用液は全身性の副作用が少なく、薬剤相互作用を気にせずに使用できます。

参考記事:飲み薬の爪白癬治療薬


クレナフィン(エフィナコナゾール)の構造式