薬の名前の由来その5

アクプラ

抗悪性腫瘍剤:日医工、主成分 ネダプラチン

本薬が水(アクア)に溶けやすい白金(プラチナ)化合物であることから命名された。薬の特徴を明確に示した一例。点滴が必要な薬剤の場合、水に溶けやすいというのは必要な性質です。

スベニール

関節機能改善剤:中外製薬、主成分 精製ヒアルロン酸ナトリウム

関節の滑らかな動作を印象付ける名称とした。どのような薬効を持つのかが非常に分かりやすい名前。オヤジギャクが、おじさんの心をくすぐります。

ピシバニール

抗悪性腫瘍剤・リンパ管腫治療剤:中外製薬、主成分 溶連菌抽出物注射用

開発略号PC-B-45より命名。薬が開発されるときには、かならず化合物に番号(開発コード)をつけます。臨床薬としては成功しなくても、試薬として売り出される場合、開発コードで販売されることがよくあります。

アンジュ

経口避妊剤:あすか製薬、主成分 レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠

「フランス語の天使(ANGE)に由来する。天使=子供のイメージがあるんで、避妊薬のネーミングとしてはちょっとおかしいかも。

ケーワン

ビタミンK1剤:エーザイ、主成分 フィトナジオン

ビタミンK1 のK1 をケーワンと発音し,そのまま商品名とした。

ケイツー

ビタミンK2剤:サンノーバ、主成分 メナテトレノン

ビタミンK2 のK2 をケイツーと発音し,そのまま商品名とした。ワンがあればツーもある、覚えやすい名前。

ウロキナーゼ

線維素溶解酵素製剤:持田製薬、主成分 ウロキナーゼ

ヒト尿(urine)より発見された酵素(enzyme、~nase)による。ウロキナーゼは大量の尿から精製されました。このように、薬理活性を持つ物質が、人の分泌物から発見されることは、結構あります。ちなみに、ウロキナーゼは尿からではなく遺伝子組み換えの技術を用いて作られてます。

キプレス

ロイコトリエン受容体拮抗剤、気管支喘息治療剤:杏林製薬、主成分 モンテルカストナトリウム

喘息の寛解状態を維持する、喘息のコントローラーをイメージしてキープ(維持)+レスト(寛解期)でキプレスと命名した。寛解(かんかい)とは、症状(発作)が起こらない状態のこと。

キサンボン

トロンボキサン合成酵素阻害剤:キッセイ薬品、主成分 オザグレルナトリウム

本品が阻害するThromboxane 合成酵素のBO とXANをとり,逆転させ,New Drug のN をつけたものより由来。トリッキーな付け方ですね。アナグラム。語尾のボンというのが印象に残ります。

サプレスタ

持続性Ca拮抗剤(降圧剤):大鵬薬品、主成分 アラニジピン

血圧をサプレス(低下)することから商品名をサプレスタとした。サプレス=supress。語尾のタというのは、語呂がよいから?