液体シンチレーションカウンターってどんな道具?

液体シンチレーションカウンター,略して液シン(LSC)は,放射性物質の放射能量を測定するための装置です。大学時代から今に至るまで,大変お世話になっています。

液体シンチレーションカウンター

液体シンチレーションカウンターの使い方:放射能量を測定したい検体を,ガラスバイアル(液シンバイアル)という容器に加え,上から液体シンチレーターという有機溶媒を加えます。よく攪拌(かくはん)した後,液シンバイアルを液体シンチレーションカウンターに装着します。液体シンチレーターの中には,放射線があたると光を出す化合物が含まれています。その光の強さを測定することで,液シンバイアル中の放射能量を測定します。

大きな実験だと,液シンバイアルの数が数百本になることもあります。液シンバイアル一本測定するのに,普通は1-2分,すべての測定するのに5,6時間はかかります。夕方に液体シンチレーションカウンターにバイアルを仕込んで,一晩かけて測定し,次の日の朝一番に,フロッピーやプリンターに出力された結果を取り出します。

このときが一番緊張します。古い機械だと,バイアルが最初の5本ぐらいで引っかかって,全然測定されてないってこともあります。あと,プリンターの紙が引っかかって,データがまったく印字されてないこともあります。

逆に,出力データを見ただけで,いい化合物が見つかったことがわかるときもあります。このときの気持ちよさは,なんともいえません。

最近は,もっと高性能な測定装置を使うことが多いのですが,それでも液シンは最前線でがんばっています。