NMR(Nuclear Magnetic Resonance、核磁気共鳴装置)は、薬作りには欠かせない大事な道具です。NMRは、合成屋さんが作った有機化合物の構造(構造式)を決定するための道具です。いくら有機合成反応ができたとしても、反応の結果、目的の化合物が出来ているのかの確認が出来ないのでは意味がありません。私たちが合成屋さんから化合物データをもらうときには、NMRなどできちんと構造確認した旨が書かれています(時々修正されてたりもしますが)。
NMRについては、大学で習ったはずなのですが、未だに理屈が分かりません。というわけで知ってる範囲でNMRのことを説明します。
単純にいうとNMR装置はでっかい磁石と電磁波発生装置を組み合わせたものです。有機化合物をNMR装置の中のでっかい強力な磁石の中に入れ、電磁波を当てると、すごく難しい理屈によって(笑)、化学シフトという現象がとらえられます。化学シフトというのは、強い磁場のなかに有機化合物があると、電磁波の周波数がずれるっていう現象(だったよな)。
有機化合物は、その構造に特有の化学シフトを示します。化学シフトによる周波数のずれが1枚のチャートに記録される(NMRチャート)ので、それを「読んで」化合物構造を決定する、そうです。学生実習のときにNMRのチャートを読まされたんですが、ただの図形にしか見えませんでした。今も同じ。NMRチャートが読める人、尊敬しちゃいます。
NMR装置はでっかい磁石です。そこで、強い磁力のためNMR測定室の中には、磁気カードを持ち込んではいけないそうです。磁石にくっつくものもダメなのかな?あと、電磁波のため、ペースメーカー(心臓の脈拍を正常にするための器具)をつけてるヒトはNMR装置には立ち入り禁止となってます。携帯がダメなくらいだから、NMRはまずいですよね。
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