フラスコといえば、化学の実験などでつかうガラスのフラスコを思い浮かべますが、私の仕事ではガラスのフラスコはあんまり使いません。私たちが主に使ってるのは、細胞培養用のプラスチック製のフラスコです。
細胞培養用のフラスコの形は、化学実験で使うフラスコの形とは違います。フラスコとは、もともと「首の部分が細くなっている容器」だそうで、形は違えど同じフラスコというわけですね。英語では、ウイスキーを持ち歩くのに使う、小さな平べったい容器もフラスコと言うそうです。
フラスコの大きさは何種類もありますが、よく使うのは底面積が75cm2か225cm2のものです。細胞は、フラスコの底面に張り付いて増殖していきます(張り付かず、浮遊して増殖する細胞もありますが)。細胞のフラスコへの張り付き方は結構強く、トリプシンでの酵素処理や、EDTAでのイオン除去など、いろいろな処理をしないとはがすことができません。結局、最後には、叩いて落とすんですけどね。そういうわけで、培養室の中では、誰かが細胞をはがすポンポンポンという音が、よく鳴っています。
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