薬の名前の由来その7

ニトロダーム

経皮吸収型狭心症治療剤:田辺三菱製薬、主成分 ニトログリセリン

Nitro(ニトログリセリン)、derm(皮膚)。ニトログリセリンの貼り薬。狭心症発作が起こった時に使う舌下錠とは異なり、狭心症の発作が起こるのを予防します。皮膚からニトログリセリンを吸収させます。

参考記事:ニトログリセリンとはどんな薬?

コントミン

精神神経安定剤(抗精神病薬):田辺三菱製薬、主成分 クロルプロマジン塩酸塩

コンコンと眠るTOMIN→ヨシトミのアミン。ヨシトミとは開発した吉富製薬のこと。アミンはこの化合物の化学構造の特徴をあらわします。クロルプロマジンは強力な鎮静作用を示す薬剤です。

参考記事:コントミン(クロルプロマジン塩酸塩)とはどんな薬?

ミオカーム

ミオクローヌス治療剤:ユーシービージャパン、主成分 ピラセタム

MYO (筋肉を表わす接頭語)、CALM (鎮める)。ミオクローヌスとは、ある筋肉や筋肉群が素速い稲妻のような収縮を起こす症状です。だから、筋肉を鎮めるとこで症状を改善するということです。

トクダーム

副腎皮質ステロイド密封療法剤:大鵬薬品工業(販売中止)、主成分 吉草酸ベタメタゾン

研究開発を行った徳島にちなんで「トク」に、皮膚を表わすderm を付け、トクダームと命名した。地名が入っているパターン。

ホーリット

統合失調症治療剤:第一三共、主成分 オキシペルチン

「for it」(そのために)に由来する。英語っぽく発音してみましょう。

ニフレック

経口腸管洗浄剤:EAファーマ

nicht(~ない)flecken(汚れ):独語 大腸内を汚れなくきれいにするという意味で名付けた。大腸の内視鏡検査の準備のために使う、強力な下剤。なにせ「腸管洗浄」ですから。ドイツ語っぽく発音してみましょう。

プロテアミン

総合アミノ酸製剤(輸液):テルモ

「蛋白質(Protein)とアミノ酸(amino acid)より。消化器の手術の前後のように、タンパク質、アミノ酸が消化管から吸収できない場合に使います。ストレートな命名ですね。

ケイキサレート

高カリウム血症改善剤:鳥居薬品、主成分 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム

カリウムイオンをキレート(生体と反応する前に除去)するに由来する。カリメートと同様な薬です。キレートの語源はカニのハサミ。カリウムを、消化管からはさみでつまみだすように(化学構造式がそんな風に見える)除去します。

ガストログラフイン

水溶性消化管造影剤:バイエル薬品、主成分 アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン液

Gastroは胃腸、grafinは撮影に由来する。"ガス"はガスターの"ガス"と一緒(と思われる)

アイビナール

抗アレルギー剤、点眼剤:MSD(販売中止)、主成分 イブジラスト

目(eye)が美しくなる(美なる)より命名された。ビナールが日本語とは思いつきませんでした。恐れ入りました。