カプトリル(カプトプリル)とはどんな薬?

カプトリル(第一三共エスファ,ブリストル・マイヤーズ、主成分カプトプリル)は高血圧の治療薬で、血管の筋肉(血管平滑筋)を緩め、血液の流れを改善することで、血圧を下げる効果を示します。

カプトリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE、angiotensin converting enzyme )阻害薬と呼ばれる種類の薬剤です。1977年から発売されている古い薬ですが、主成分のカプトプリルはジェネリック医薬品としても使用されており、まだまだ現役で活躍している薬です。

カプトリルの主成分であるカプトプリルは、血圧調節に重要な役割を持つタンパク質「アンギオテンシン2」の生体内での産生を低下させて降圧作用を示します。

アンギオテンシン2とは、アンギオテンシノーゲンと呼ばれるタンパク質が、タンパク分解酵素であるレニンとアンギオテンシン変換酵素により分解されてできるペプチド(数個のアミノ酸でできている分子)で、腎臓から血液中に分泌されます。アンギオテンシン2は、血管の平滑筋という筋肉を収縮させ、血管の太さを狭めて血液を通りにくくして、血圧を上昇させます。したがって、カプトリルのようなACE阻害薬でアンギオテンシン2の産生が低下すると、血管が拡張し血流が改善されて血圧が下がります。

カプトリルに代表されるACE阻害薬は、降圧薬としてデビューしましたが、発売後の臨床試験により、血圧を下げるだけでなく、腎臓や心臓の障害を防ぐ臓器保護作用や、長期投与することで心臓の機能障害を予防する効果をも合わせ持つこともわかりました。これは、ACE阻害薬以前の降圧剤にはない優れた作用です。多くの循環器系疾患に対する有効性が認められたことから、1980-90年代は各製薬会社が続々と薬剤を開発・販売し、巨大な売上高を記録する黄金時代を築きました。

しかし、ACE阻害剤には避けられない副作用がありました。この問題を解決するために新たに開発されたのは、ブロプレス(武田薬品、主成分カンデサルタン シレキセチル)に代表されるアンギオテンシン受容体拮抗薬でした。現在でも、カプトリルを始めとするACE阻害薬は広く使用されていますが、主役の座にとどまるというところまでは行かないのが現状です。


カプトリル(カプトプリル)の構造式