アダラート | 病院でもらった薬の値段TOP

アダラート
(ニフェジピン)

 「食い合わせ」という、一緒に食べてはいけない食べ物の組み合わせがあります。例えば、「梅干しとうなぎ」「天ぷらとすいか』などなど。薬にも、これと似たような「一緒に飲んではいけない薬と飲み物」の組み合わせがあります。

 今回は、高血圧の薬「アダラート」(バイエル薬品、主成分ニフェジピン、薬価 10 mg カプセル = 23.6円)の場合を紹介します。

 大学生のとき、ゼミの文献紹介で、先輩が論文紹介をしたのですが、その論文がアダラートの「飲み合わせ」を紹介したものでした。論文によると、アダラートをグレープフルーツジュースで飲むと効き目が強くなり、通常より血圧がすごく下がるというものでした。血圧が下がりすぎると、立ちくらみや、ひどくなると失神するなどの症状を起こし、非常に危険です。

 なぜグレープフルーツとアダラートの組み合わせでこんなことが起こるのか?その時の論文紹介では、よくわからなかったのですが、会社に入ってやっとわかりました。アダラートとグループフルーツ薬の「飲み合わせ」を調べることは、製薬会社が重要視する項目の一つであり、私もいろいろ勉強しました。

 まとめると、
★グレープフルーツジュースのある成分が、アダラートの効き目をなくす酵素(タンパク質)の働きを抑制します。この酵素のことを、一般にP450とかCYP(シップ)とか呼んでいます。P450は、アダラートのある部分を変化させ、アダラートの効き目をなくします(これを「薬物が代謝される」といいます)。
★ アダラートが分解されにくくなって体の中の量が増加します。
★ アダラートの血圧降下作用が通常より強くなります(効き過ぎ)。
ということです。

 このような「薬の飲み合わせ」によって起こる作用を「薬物相互作用」と言います。グレープフルーツジュースに限らず、P450の働きを抑制する化合物は、グレープフルーツジュースと同じ作用を示します。 

 1990年代後半になると、いろいろな種類のP450が発見され、P450に対する薬の作用を評価できるようになりました。それまで、アダラートだけでなく様々な薬が薬物相互作用を有することは知られていました。その原因の多くがP450によるものとわかったため、製薬会社は新薬を開発するときには、P450阻害作用を調べ、出来るだけ抑制作用がないものを選ぶようになりました。アダラートと似た構造のアムロジピン(商品名ノルバスク)にはP450阻害作用がなく、アダラートより薬物相互作用が起きにくくなっています。

 処方された薬に薬物相互作用があるかは、医師、薬剤師が処方時に教えてくれるはずです。予期せぬ副作用を防ぐために、指示に従って薬を飲むことが大切です。

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構造式
アダラート(ニフェジピン)の構造式 アダラート(ニフェジピン)の構造式



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