ノルバスク(アムロジピンベシル酸塩)とはどんな薬?

ノルバスク(ファイザー、主成分アムロジピンベシル酸塩)は、高血圧や狭心症の治療に用いられる薬です。高血圧や狭心症は、血管が狭くなり血液の流れが悪くなることで起こります。ノルバスクの主成分であるアムロジピンは、血管の筋肉(血管平滑筋)の収縮に引き金を引くカルシウムイオンの働きを低下させることで、血圧を下げたり狭心症の症状を改善する効果を示します。

ノルバスクの主成分であるアムロジピンは、血管平滑筋へのカルシウムイオンの働きを低下させ筋肉を緩め血管を拡張させるカルシウム拮抗薬と呼ばれる種類の薬です。アムロジピンは、アムロジンという商標名でも販売されており、高血圧の標準治療薬として用いられています(アムロジピンの作用メカニズムについては、アムロジンの記事「アムロジン(アムロジピンベシル酸塩)とはどんな薬?」を参考にしてください)。

カルシウム拮抗薬として数多くの薬剤が使用されていますが、ノルバスクには、長い作用時間とゆっくりとした作用発現という特徴があり、患者さんにとっては飲みやすく使いやすい薬です。

  1. 長い作用時間
  2. 高血圧の治療薬は、長期間の服用が必要です。薬を毎日きちんと服用するには、薬の作用時間をできるだけ長くして、服薬回数はできるだけ少なくすることが望まれます。1日3回服用よりは1日1回服薬のほうが服薬を継続しやすくなるというのはイメージしやすいと思います。

    ノルバスクは、1日1回の服用で十分な血圧低下作用をしめします。これは、アムロジピンが非常に長い時間にわたり臓器内にとどまる性質を持つからです。臓器に分布した薬剤は、じわじわと血液に放出されるので、他の薬にくらべ作用時間が長くなります。

  3. ゆっくりとした作用発現
  4. 血圧は、ただ下がればよいわけではありません。急激に血圧が下がると、脳に血液が十分届かなくなり、ふらつき(立ちくらみ)のような副作用が出てしまいます。つまり、薬剤の服用後、血圧はゆっくりと下がる必要があります。アムロジピンの吸収される速度は他の薬剤よりも遅いので、血圧効果作用もゆっくりと現れます。

    しかし、ゆっくりとした作用発現の裏返しは、効果がなかなか現れないということです。狭心症の発作が起こった後など、出来るだけ早く治療効果を得たいときには、アダラート(ニフェジピン)など即効性が期待できる薬剤を使用されます。

「薬の飲みやすさ」は薬を開発するうえで、とても重要な要素です。新薬開発の際には、持続性(もしくは即効性)を考慮する場面も多くあり、その際には薬物の体内での量や分布の変化の把握(薬物動態)が重要となります。

ノルバスクのように、有効成分自体に持続性に適した性質があるのが一番望ましいです。しかし、いつもそのような都合が良い化合物が得られるとは限らないので、徐放性製剤(体内でゆるやかに薬を放出し、血液中の薬の量を持続させる製剤)などの工夫をすることも多くなっています(参考記事:リュープリン(酢酸リュープロレリン)とはどんな薬?)。


ノルバスク(ベシル酸アムロジピン)の構造式の構造式