ザイロリック(アロプリノール)とはどんな薬?

ザイロリック(グラクソ・スミスクライン,主成分アロプリノール)は、生体内の尿酸の合成量を低下させる薬剤で、血中尿酸値が高い状態である高尿酸血症の治療薬です。高尿酸血症の患者さんでは、手足の指の関節に尿酸の結晶が現れ、痛風と呼ばれる強い炎症と痛みを起こします。ザイロリックは、高尿酸血症を改善して、痛風の発症を抑制します。アロプリノールは40年以上使われている歴史ある薬で、多数の会社からザイロリックと同じ成分を含むジェネリック医薬品が販売されています。

尿酸は食物に含まれるプリン体と呼ばれる物質が代謝されてできる物質で、尿を通じて体外に排泄されます。しかし、食生活がプリン体を多く含む食物(魚、ビール、レバーなど)に偏ると、尿酸の産生速度が排出速度を追い越して、血液中の尿酸濃度(尿酸値)がどんどん上昇します。これが高尿酸血症です。

尿酸は水に溶けにくいので,尿酸値が高くなると関節や腎臓で尿酸がとけ切れず結晶になります。この尿酸結晶が炎症を起こし、痛みや腎機能を低下させるのです。特に関節に起こる強い炎症と痛みを「痛風発作」とよび,文字通り「風が吹いただけで痛い」というほどの猛烈な痛みが起こります。痛風発作を避けるためには、尿酸値を低下させ尿酸結晶ができるのを止めなくてはいけません。

尿酸値を下げる方法としては,1)尿酸の体内での産生を抑制する、2)尿酸の体外への排出を促進する、の大きく2通りがありますが、ザイロリックの有効成分であるアロプリノールは,1)を作用機序とする薬です。アロプリノールは、尿酸を合成する酵素タンパク質キサンチンオキシダーゼの働きを低下させ、尿酸値を低下させます(キサンチンオキシダーゼ阻害薬と呼びます)。ザイロリックは日本では1969年から使用されている歴史ある薬です。また、多くの会社から同じ成分を含むジェネリック医薬品が発売されています。

長い間、臨床で使用されるキサンチンオキシダーゼ阻害薬はザイロリック(もしくはジェネリック医薬品としてのアロプリノール)だけでした。普通は、同じメカニズムを持ち改良を加えた新薬が対抗馬として登場するのですが、ザイロリックの場合には,対抗馬が出ないまま40年が経ってしまいました。これはザイロリックの尿酸低下作用が強く、安全性についても優れた性質を持っていたからです。ザイロリックの一人勝ちという状況に、あえて割り込む企業はなかったのです。

しかし、ザイロリックは腎機能が低下した患者さんでは副作用が起きやすくなるという問題点がありました。痛風の患者さんでは腎機能が低下することが多いので、このような患者さんでも使えるキサンチンオキシダーゼ阻害剤ができないか、というコンセプトでの新薬開発が行われました。

アロプリノールと似た構造の化合物では、なかなか副作用の問題が解決できませんでした。アロプリノールと全く異なる構造を持つフェブキソスタットが帝人ファーマで発見されたのは1991年のことでした。現在ではフェブリクという名前で使用されています。


ザイロリック(アロプリノール)の構造式