クラリチン | 病院でもらった薬の値段TOP

クラリチン
(ロラタジン)
クラリチン(塩野義製薬,主成分ロラタジン,薬価 10mg錠 = 99.4円)は,花粉症などのアレルギー疾患に用いられます。花粉症の季節,クラリチンなどの薬をすでに飲んでおられる方もいるのではないでしょうか。

クラリチンは,花粉症などのアレルギー症状の原因である炎症を抑える薬です。クラリチンは,ヒスタミンという炎症を引き起こす物質の働きを抑制します。クラリチンは,ヒスタミンが結合するタンパク質(H1受容体といいます)とヒスタミンの結合を抑制し,ヒスタミンの働きを抑制します。クラリチンの主要なターゲットはH1受容体であるため,クラリチンは抗ヒスタミン薬とよばれています(ヒスタミン受容体にはH1のほかにもH2,H3,H4という3種類の受容体がありますが,一般に抗ヒスタミン薬という場合,H1受容体を阻害する薬物を意味することが多いです。)

クラリチン以前に開発された,旧世代の抗ヒスタミン薬には,眠気という副作用がありました。これは,ヒスタミンが脳内で眠気を抑える働き(覚醒状態の維持)に関与しているためです。脳内のヒスタミンの働きが阻害されると,覚醒状態の維持ができなくなり,眠くなります。市販の風邪薬を飲むと眠くなるという経験をされた方は多いと思います。これは,成分として含まれる旧世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)の副作用である眠気によるものです。

クラリチンは,眠気が生じにくい抗ヒスタミン薬として開発されました。クラリチンで眠気が生じない理由としては,クラリチンが脳の中に入りにくいためだと考えられています。
では,クラリチンで眠気が生じにくいということをどうやって確認したのでしょうか?クラリチンが脳の中に入りにくいということを示すだけでは不十分です。実際にヒトにクラリチンを投与して実験する必要があります。

クラリチンの場合,なかなか面白い実験が行なわれています。
1) パソコンでの数字入力作業の能率について,クラリチンは影響を与えなかった。
2) サーキット場での自動車運転能力に,クラリチンは影響を与えなかった。
3) サーキット場でのアルコール摂取時の自動車運転能力低下を,クラリチンは増強しなかった。
4) 空軍パイロット及び民間会社パイロットのパイロット操縦能を検討するために,フライトシミュレーターによるパイロット操縦能の試験を行なった。その結果,クラリチンはパイロット操縦能に影響を与えなかった。

これらの試験には,海外で行なわれたもの(2,3,4)も含まれていますが,クラリチンの眠気に対する検討が,徹底して行なわれていることがわかります。酔払い運転についての試験や,パイロットに対する試験などは,クラリチンの資料を見るまで,ちょっと予想がつきませんでした。どんな極端な条件でも大丈夫,ということでしょうか。
「クラリチンは大丈夫」、といっても,花粉症の季節,これからのぽかぽか陽気で眠くなってしまわないよう,車の運転には注意しましょう。


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クラリチン(ロラタジン)の構造式
クラリチン(ロラタジン)の構造式

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