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ルボックス
(マレイン酸フルボキサミン)

セロトニンという生体内物質があります。セロトニンは単純な化合物ですが、うつ病、片頭痛、吐き気など様々な病態に関与しています。そのため、セロトニンの作用をコントロールする薬は、いろいろな用途で使われています。今回は、その1回目として、ルボックスを取り上げます。

ルボックス(ソルベイ、アステラス、主成分マレイン酸フルボキサミン、薬価 25mg錠 = 37.8円)は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)という種類の薬です。ルボックスは、うつ病、うつ状態および強迫性障害、社会不安障害といった病気の治療に使われます。

ルボックスは、「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」という長ったらしい名前です。これを簡単にいうと、ルボックスは脳内のセロトニンの働きを増強する薬です。ルボックスの作用メカニズムを理解するために。脳内でのセロトニンの役割を見てみます。

感情をコントロールする神経は、神経と神経のネットワークによって構成されています。神経と神経の間にはシナプスという構造があるのですが、このシナプス中のセロトニンによって、神経活動がコントロールされています。

シナプスには、セロトニンを放出する部分(プレシナプス)とセロトニンが結合する部分(ポストシナプス)の二つがあります。プレシナプスから放出されたセロトニンがポストシナプスのセロトニン受容体に結合することで、神経活動が活性化されます。そして。放出されたセロトニンは、プレシナプスのセロトニントランスポーターというタンパク質により、プレシナプスに吸収されます。この繰り返しで、神経活動がコントロールされるのですが、シナプス内のセロトニンの量が減少すると、神経活動に乱れが生じ、これがうつ病などの原因となります。

そこで「シナプス内のセロトニン量を多くするためには、セロトニントランスポーターの働きを阻害し、プレシナプスに取り込まれるセロトニン量を少なくしてやればよい」、という仮説に基づき、セロトニントランスポーター阻害薬の開発が行われました。その結果得られたのが、ルボックスのようなSSRIです。

ルボックスは、数々のうつ病モデル小動物で抗うつ作用を示しました。また、ルボックスには、これまでの抗うつ薬にみられた様々な副作用が出にくくなりました。これは、これまでの抗うつ薬が脳内のいろんな分子の働きを阻害して様々な副作用が生じたのに対し、ルボックスはセロトニントランスポーターのみを選択的に阻害するため、です。そして、ルボックスを始めとするSSRIは、一躍抗うつ薬のスタンダードとなり、多くの患者さんに使われるようになりました。

これに加え、ルボックスなどのSSRIは、これまでの抗うつ薬で治療できなかった、強迫性障害という症状についても。効果があることが分かってきました。この話については、また次回ということで。


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ルボックス(マレイン酸フルボキサミン)の構造式


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