ルボックスその2 | 病院でもらった薬の値段TOP

パキシル
(塩酸パロキセチン)


セロトニン特集第2弾です。
今回取り上げるのは、パキシル(グラクソスミスクライン、主成分塩酸パロキセチン、薬価 10mg錠 = 105.6円)。パキシルは、前回のルボックスと同じ、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)です。
パキシルの適応症は、うつ病、強迫性障害、社会不安障害、となっています。前回はうつ病の話だったのですが、今回は、パキシルの適用の中にある強迫性障害を取り上げます。

「強迫性障害」とは、一言で言うとスーダラ節(古い)の一節、
「分かっちゃいるけどやめられない」という状態。具体例で言うと、外出するときに、家の鍵をかけたが不安になって何度も見に帰ったり、ガスの元栓を締めたかどうかが気になって仕方がなく、かえって確認してしまう、など。この手の心配事は、普通のヒトでも体験することがあります。私も長期の旅行のときとかは、鍵と火の元は気になります(嫁さんが、きちんとしてくれてると信じて、あえて自分から確認しに帰ったりはしませんが)。

で、この状態が激しくなり、常に不安がつきまとい、確認行為を繰り返す、そのため社会生活に支障を来す、となる強迫性障害と呼ばれる状態になり、パキシルなどの薬物による治療の対象となります。

強迫性障害の起こる原因はよくわかっていません。しかし、もともと抗うつ薬として開発されたパキシルを代表とするSSRIが、強迫性障害に効果があることが、臨床での使用経験から分かってきました。そこで、パキシルについて強迫性障害に対する臨床試験が行われ、パキシルの強迫性障害に対する治療効果が示されました。

SSRIの強迫性障害に対する作用は、臨床の使用経験を積み重ねたことで見いだされました。理屈で見つけたというよりは、医師の勘(?)で見つかったと言ってもよいでしょう。そのため、パキシルの強迫性障害に対するメカニズムは、まだはっきりと分かってはいません。

パキシルの強迫性障害に対するメカニズムを動物で確認するためには、動物に強迫性障害を起こさせる必要があります。ネズミを使った強迫性障害モデルに、「ガラス玉覆い隠し行動」という実験があります。ネズミの飼育ケージにおがくずとガラス玉をいれてやると、ネズミはガラス玉をおがくずの下に隠します。ガラス玉は無害なので、本来は、隠す必要はありません。それでもガラス玉をおがくずで覆い隠そうとするこのネズミの行動が、不合理と認識しながら繰り返される強迫性障害患者の行動と見かけ上類似している、というのがこの実験のミソです。

これって、ほんとに強迫性障害なのかなぁと思うんですが(笑)。ただ、正常なネズミでもガラス玉覆い隠し行動をすることを考えると、最初に書いたように。どんな人でも強迫性障害っぽいことを体験するってことが説明できるのかなとも思います。このモデルで脳内のセロトニン動態などを調べれば。強迫性障害の原因の一端をつかむことができるかもしれません。



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パキシル(パロキセチン)の構造式
パキシル(パロキセチン)の構造式


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