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サワシリン
(アモキシシリン)
サワシリン(アステラス、主成分 アモキシシリン、薬価 100mg 細粒 = 12.2円)は、以前紹介した「ペニシリン G」の欠点を改良して作られた抗生物質で、各種の感染症に広く使われている薬です。ペニシリンGが青カビから発見されたのに対し、サワシリンはペニシリンの構造を参考に、化学合成によって作られています。それで、サワシリンは合成ペニシリンと呼ばれています。

有機合成化学の発達により、ペニシリンの構造をある程度自由に変えることができるようになりました。そのため、ペニシリンの欠点の原因となる構造を探り出して、別の構造に変えることで、ペニシリンより優れた薬剤を作ることが可能となりました。

一般に、抗生物質に望まれるキャラクターは、血液中に入りやすく体内の組織に速やかに分布する、様々な細菌に効く(これを「抗菌スペクトルが広い」と言います)の2点です。サワシリンの場合は、ペニシリンと比べて次のような特徴があります。

1)ペニシリンGが注射薬のみであるのに対しサワシリンは飲み薬。
最初に臨床応用されたペニシリンGは、胃の中で胃酸により分解されるので、口から飲んでも血液中に入ることができず、殺菌作用を示しません。一方サワシリンでは、胃酸による分解が生じにくいような構造が取り入れられておらず、短時間で全身にサワシリンが分布することができます。

2)サワシリンは、ペニシリンGよりも多くの種類の細菌に有効。
ペニシリンGは、ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、淋菌、ジフテリア菌、炭疽菌、放線菌などの細菌に対して殺菌作用をしめしますが、サワシリンは、これ以外にも大腸菌やインフルエンザ菌、梅毒トレポネーマなどの細菌に対しても殺菌作用を示します。

というわけで、サワシリンはペニシリンよりは使いやすくなったのですが、やはり欠点も存在します。

サワシリンが効かない細菌もたくさん存在します。緑膿菌と言う細菌には、もともとサワシリンは無効です。また、サワシリンが広く使われるようになるにつれ、これまでには存在しなかったサワシリンが効かない細菌(これを薬剤耐性菌と言います)が出現するようになったことが、現在問題になっています。

薬剤耐性は、サワシリンだけでなく抗生物質全般に共通して現れる現象です。細菌は、大変速いスピードで増殖するため、遺伝子が突然変異する(DNAの情報が変わる)確率が大変高くなっています。その中には、抗生物質を分解する酵素を作るような遺伝子の変異も生じます。例えば、サワシリンには、βラクタマーゼという酵素を持つ耐性菌が存在します。この突然変異した細胞では、サワシリンがすぐ分解され、抗生物質の殺菌力が大幅に低下します。サワシリンに対する耐性菌は瞬く間に世の中に広がり、問題となりました。

緑膿菌やサワシリン耐性菌に殺菌力を有する抗生物質も見つかりましたが、さらにその抗生物質にも耐性菌が生じました。つまり、耐性菌と抗生物質のいたちごっこがおこる訳です。現在もこのいたちごっこは続いていて、耐性菌は年々レベルアップ?しています。

このいたちごっこを止めるには、新しい抗生物質の使用をなるべく控えて、新しい薬に対する耐性菌が生じにくくする必要があります。実行できるかどうかは難しいところなのですが、このあたり、製薬会社とお医者さんの意識の改革が必要でしょう。




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サワシリン(アモキシシリン)の構造式
サワシリン(アモキシシリン)の構造式

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