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スーテント| 病院でもらった薬の値段Part2


スーテント
(スニチニブリンゴ酸塩)
 スーテント(ファイザー、主成分スニチニブリンゴ酸塩、薬価 12.5mg カプセル = 8546.3円)は、キナーゼ阻害剤と呼ばれるタイプの抗がん剤です。スーテントは、これまでの抗がん剤が効かない消化管間質腫瘍(GIST)や、手術では治療しきれないタイプの腎細胞癌の治療に使われます。

スーテントは、2000年代になって開発された新しいタイプの抗がん剤です。スーテントはアメリカでは2006年に発売され、日本では少し遅れて2008年に発売されました。アメリカと日本では、新薬の発売時期に大きなずれがあるのが普通です(これをドラッグラグとよびます)。しかし、スーテントの場合は、2年のずれにとどまっており、スーテントが多くの患者に望まれていた薬剤であることがわかります。

スーテントが対象とする癌は、これまでの抗がん剤では治療が難しい癌です。例えば、GISTの場合には、これまでグリベック(ノバルティスファーマ、主成分イマニチブ)がも用いられてきました。しかし、グリベックが効果を示さないタイプのGISTも多く、グリベックを超える薬剤が望まれていました。ここで登場したのがスーテントです。

スーテントは、キナーゼ阻害剤と呼ばれるタイプの薬です。キナーゼとは、生体内のタンパク質を「リン酸化」する働きを持つ酵素タンパク質です。わかりやすくいうと、キナーゼは、タンパク質(を構成するアミノ酸という分子)にリン酸という部品をくっつける役割をもっています。

ガン細胞にとって「タンパクをリン酸化する」ことは、細胞を増殖させるために必要なタンパク質のスイッチをONにすることです。がん細胞は、やっためったらに増殖し続ける細胞なのですが、この増殖には様々なキナーゼが関与しています。このキナーゼの働きを止めて、ガン細胞の増殖をとめようというのが、スーテントなどのキナーゼ阻害剤なのです。

スーテントが効果をしめすキナーゼは、PDGFR、VEGFR、KIT、FLT3、CSF1、RET、と多種にわたります(横文字ばかり並んでいますが、これら一つ一つがキナーゼの名前です)。スーテントの前世代のキナーゼ阻害薬であるグリベックは、Bcr-AblやKIT、PDGFRというキナーゼの働きを止めるのですが、スーテントは更に多くの種類のキナーゼを阻害することで、グリベックが効かない癌に対しても治療効果を示します。

スーテントは、ガン細胞の増殖を防ぐだけでなく、血管がガン細胞に向かって伸びていくのを防ぐ作用もあります。ガン細胞は増殖するために多くの栄養が必要なので、血管を自分に向かって伸びるよう誘導するためのタンパク質を放出します。スーテントは、このタンパク質の作用に関係するキナーゼVEGFRの働きを止めてしまうのです。いわばガン細胞の兵糧攻めです。

キナーゼ阻害剤は、抗がん剤の主役として、ここ当分は大活躍することでしょう。しかし、製薬会社の目は、もうキナーゼ阻害剤の先を見据えています。キナーゼ阻害剤に続いて登場するのは、果たしてどのような薬なのでしょうか。


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スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)の構造式
スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)の構造式


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